【ヤマヒロのぴかッと金曜日】サツマイモはいかがですか~
家庭菜園を始めて3年になる。家庭菜園といっても10メートルの畝が8本作れる面積なのでそこそこ広い。ラジオやテレビの番組をこなしながらの畑仕事は、正直キツいと感じる時もある。おまけに奈良の自宅から車で片道30分かかるので、毎日行くこともできない。今夏のような猛暑が続くと水やりも途切れがちで、夏野菜の栽培は大変だった。
それでも、もぎたてのトマトやキュウリを口に入れた時の味は格別で、はっきり言ってスーパーの野菜売り場に並んでいるものとは比較にならないくらい味が濃く、みずみずしい。これは生産者の特権だ。
実りの秋を迎え、先日サツマイモの収穫を終えた。サツマイモはゴールデンウイークの時期に苗を植えれば、後はそんなに手がかからない。他の野菜に比べれば水やりの回数も少なくて済むのだが、素人仕事では出来の良しあしは掘ってみないと分からない。
1年目はヒョロヒョロの芋が数本、くっついたままの状態でいくつも出てきてしまった。これではいけない。肝心の土をちゃんと耕せていなかったのだと反省し、その年の冬は十分に土を攪拌(かくはん)したうえで化学肥料の手を借りずにやってみた。そうする事で2年目は形や大きさにばらつきはあれ、長さ20センチ直径5センチほどの形の良い芋がゴロゴロ採れた。
繰り返しになるが、素人がほとんど独学で試行錯誤しながら土いじりをしているので全て思うようにはいかない。「百姓」とはよくいったもので、もとは「一般の人々」という意味だが「百聞は一見に如かず」とあるように「百」は「多くのもの」を指す言葉である。
つまり作物を栽培するには土壌、生物、気象など自然の力に対する探究心、農機具の取り扱いや知識、問題点にぶつかった時の論理的な解決力など、多くのことをやらねばならない仕事なのだ。本を読んだり、農家のYouTubeチャンネルを参考にいろいろやってみても、最終的には自らの経験と失敗が明日につながるんだと実感する。なので、結果を出した時は望外の喜びである。
3年目の今年植えたのは『シルクスイート』や『紅はるか』など4品種110本。収穫予定日が天候に左右され、先日『ヤマヒロのぴかッとモーニング』の本番後大慌てで畑へ。アシスタントの古川圭子アナや、スタッフ8人の力を借りて全て掘り起こした時には、すでに日が傾いていた。
大小さまざま約300本の芋をお笑い芸人で青果業も営む土肥ポン太さんに見てもらったら、収穫後の管理が十分でないので最低ラインの評価だった。それでも売りものにはなるそうだ。阪急宝塚線の岡町駅前にある『ポン太青果』の店頭で特別販売する日が決まれば『ぴかモニ』の番組HPで告知するので「ヤマヒロ農園で採れたサツマイモ」に興味のある方はぜひ!(元関西テレビアナウンサー)
◆山本浩之(やまもと・ひろゆき)1962年3月16日生まれ。大阪府出身。龍谷大学法学部卒業後、関西テレビにアナウンサーとして入社。スポーツ、情報、報道番組など幅広く活躍するが、2013年に退社。その後はフリーとなり、24年4月からMBSラジオで「ヤマヒロのぴかッとモーニング」(月~金曜日・8~10時)などを担当する。趣味は家庭菜園。