筋ジストロフィーと闘った23年 1月に29歳で死去の吉村和馬さん両親が思い出語る 元阪神・赤星氏との出会いも活力に

 6歳から難病の筋ジストロフィーと闘い、医師からは「20歳までしか生きられないかもしれない」と告げられていた吉村和馬さんが、今年1月に29歳でこの世を去った。

 京都在住だった和馬さんは、小学生時代の2005~06年に阪神電車の梅田~甲子園駅間を車いすで踏破。06年6月には、ゴールに設定した甲子園球場で大ファンである阪神・赤星憲広外野手(当時)と対面するなど話題となった。

 そんな和馬さんの父・伸さん、母・由理さんらが結成しているバンド「B.J.Company」が、10月に神戸市長田区の玉龍寺で行われた報恩講法要にゲスト出演。和馬さんに鎮魂のメロディーをささげた。伸さんは、医師の見立てよりもはるかに長く命の火をともし続けた和馬さんの人生を「苦しい時はあったと思うけど、頑張ったと思います」としみじみ回想した。

 赤星選手との出会いも、和馬さんにとっては生きる大きな希望になっていたという。京都屈指の進学校である堀川高校から同志社大に進学。介助犬とともにキャンパスに通い続け、社会福祉を学んだ。常に寿命と隣り合わせに、それでも全力で生き続けた和馬さんに、伸さんは「誇りに思いますね」と柔和な笑顔で語った。

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