大みそかの「第７５回　ＮＨＫ紅白歌合戦」（総合など、後７・２０）の出場歌手４１組が１９日、発表された。東京・渋谷のＮＨＫで会見が行われ、初出場１０組のうち８組が出席。Ｎｕｍｂｅｒ＿ｉ、新浜レオン（２８）らが新顔として名を連ねたほか、４１年ぶりのＴＨＥ　ＡＬＦＥＥ、３２年ぶりのイルカ（７３）らがステージに立つ。昨年、４４年ぶりに出場者がゼロだったＳＴＡＲＴＯ　ＥＮＴＥＲＴＡＩＮＭＥＮＴ（旧ジャニーズ事務所）勢の名前は今年もなく、番組制作側は追加出演はないと明言。氷川きよし（４７）は白組、紅組を超えた特別企画で登場する。

　年の瀬の風物詩である紅白歌合戦に、２年連続でＳＴＡＲＴＯ勢が立たないことが確定した。

　出場歌手の発表会見後に取材に応じた制作統括の大塚信広氏は、同社との出演交渉を進めたことを明かした上で「発表させてもらったのが全て」と説明。追加発表や特別企画で出演する可能性についても「今回、ＳＴＡＲＴＯ　ＥＮＴＥＲＴＡＩＮＭＥＮＴ社に所属する方の出演はありません」と明確に否定した。

　旧ジャニーズ勢は、１９８０年に田原俊彦（６３）が初出場して以来、多くの人気グループを擁して紅白の常連となった。２２年は６組がステージにあがったが、故ジャニー喜多川氏による性加害問題の顕在化を受け、ＮＨＫは所属タレントの新規起用を停止。局全体の方針に沿って、昨年は４４年ぶりの出場ゼロだった。

　だが、今年は事情が少し違う。１０月１６日の会長定例会見で新規起用の再開を決定。これを受けて番組制作サイドは出演交渉を進めたが、ＳＴＡＲＴＯ社との協議の結果、出場なしの結論で交渉は終結した。大塚氏は「個人的なものになりますが、実際に交渉させてもらって、今回の発表の段階で名前が載っていないのは残念」と話した。

　ＮＨＫは起用再開発表直後の１０月２０日に、ジャニー氏の性加害を深掘り報道したＮＨＫスペシャル「ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像」を放送。番組内容が交渉に影響を与えた可能性を問われると、大塚氏は「なかった」と答え「影響があるという理由がわからない。何らかの影響を受けたという思いもしていなかった」と続けた。

　来年以降の起用はどうなるのか。大塚氏はＳＴＡＲＴＯ社との交渉については「今年の紅白に関することだけです」と語った。