柄本佑「とても不思議な体験だった」 藤原道長出家シーンで自然と涙が NHK大河「光る君へ」いよいよ大詰め
吉高由里子主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」(総合、日曜、後8・00)で、時の最高権力者である藤原道長役を演じてきた俳優の柄本佑(37)がこのほど、取材会に登場した。
物語もいよいよ大詰めを迎え、24日放送の第45回で道長は出家。地毛での撮影にこだわり、クランクイン前から伸ばし続けた髪をそり落とす撮影は「落ちてきて手の甲に当たった時に『あ、なくなっている』って触覚で分かった」。作品と向き合い続けた時間をリアルに感じる瞬間に自然と涙がこぼれ「とても不思議な体験だった」と振り返った。
第44回では道長が詠んだ有名な「望月の歌」も登場。「この世をば わが世とぞ思ふ望月の 欠けたることも なしと思へば」との歌には自身の栄華を誇示するという解釈をされていたが、近年は道長の満ち足りた心情が詠まれたとの解釈も出てきた。柄本は「(ドラマの中では)どんどん追い込まれているから、漫画で言うと、半泣きで言っているんじゃないかと」と話し、自身の中では「今夜は良い夜だという歌」との思いを持って撮影に臨んだという。
既に全ての撮影は終えたが「実感がないですね。まだ放送が残っているというのと、どこかで終わりたくないという気持ちもあって」。作品を通じて得たものは「まだ終わっていないというのもあるけど、10年後くらいに振り返れば良いのかな」とまだ固めるつもりはない。今は繊細に、丁寧に演じてきた物語を見届けるつもりだ。