一ノ瀬颯 役者として「変身したぞ!」 戦隊ヒーローデビューから5年 ドラマ「若草物語-」で新聞記者役好演
俳優の一ノ瀬颯(27)が、日本テレビ系ドラマ「若草物語-恋する姉妹と恋せぬ私-」(日曜、後10・30)で、ヒロインに思いを寄せる幼なじみの新聞記者・行城律を好演中だ。主役を務めた「騎士竜戦隊リュウソウジャー」でデビューしてから5年。戦隊ヒーローのように俳優として少しずつ“変身”し、素顔の愛されキャラを役ににじませている。
切れ長のアンニュイな目元。身長179センチで、手足はすらりと長い。一見、クールかと思いきや、ふんわりした雰囲気で癒やされる。印象を率直に伝えると、おっとりした語り口で「天然と言われはするんですけど…自覚はないです」と照れ笑いした。
1868年刊行の米小説を原案に、4姉妹の人間模様を描く「若草物語」。一ノ瀬は、ヒロインの次女・涼(堀田真由)に片想いする幼なじみ・律を演じている。恋をしないと公言する涼と、自分の思いを飲み込む律の距離感がいじらしい。
自身は「男女の友情は成立する派」と信条を明かす一ノ瀬だが、片想いを続ける律に気持ちを重ね「片方が好きになってしまった場合の友情はすごく残酷だなと感じたので、あまり声を大にして『成立する派です!』と言うと多くの方を傷つけてしまうかもしれないと考え方が変わりました」と変化を語る。
4姉妹との撮影では持ち前の天然ぶりで、四女・芽役の畑芽育(22)にイジられているという。「何でかわからないんですけど、ツボみたいで」と本人は首をひねるが、周囲の関係者は納得顔。愛されキャラが、役にもにじんでいる。
長女・恵役は仁村紗和、三女・衿役は長濱ねるが担当。4姉妹について「すごく仲が良くて、本当に姉妹なのかなって錯覚するくらい。芽育さんに僕がことのほかイジられて、そこを仁村さんがフォローする立ち回りも姉妹みたい。最高のキャスティングだなと思います」と証言する。
2018年4月、青山学院大学への入学式に遅刻しそうで、急いで向かっている途中にスカウトされた。司法書士を目指し「食いっぱぐれない職業に就こうと思っていた」と語る現実主義の青年は、翌19年3月からの「騎士竜戦隊リュウソウジャー」でリュウソウレッド役に抜てきされ、デビューを果たす。
当時の制作発表会見を振り返り「本番もなかなかに何言ってるかわからない感じだったんですけど、リハはもっと酷くて。役名と名前を言ったら、その後はもう真っ白…みたいなところからのスタートでした」と苦笑い。ドラマの撮影でもNG連発で絞られ「監督さんにすごくこだわっていただき『違う!もう1回!』みたいな感じでした。自分で考えることにもつながりましたし、最初の水準を高めに設定することができたとすごく感謝してます」と原点になっている。
日曜朝の戦隊ヒーローから5年を経て、同じ日曜の夜に帰還。経験を積み、役者として“変身”した姿を本作に投影し「当時と比べ、変身したぞって気持ちはあります。脚の部分だけかもしれないですけど。(リュウソウレッドには)甲冑(かっちゅう)みたいな変身もあったので、今はそこになろうとしている最中ですね」と理想を追い求めていく。
◇一ノ瀬 颯(いちのせ・はやて)1997年4月8日生まれ。東京都出身。2018年4月に青山学院大学入学。19年3月に「騎士竜戦隊リュウソウジャー」でデビュー。主な出演作はドラマ「Get Ready!」「ハレーションラブ」「Believe-君にかける橋-」など。21年からTBS系「王様のブランチ」のレギュラーを務める。