斎藤工「この作品に関わらなければ見て見ぬふりをしていた日常がある」児童養護施設に焦点を当てた映画「大きな家」完成
俳優の斎藤工(43)が3日、都内で行われた映画「大きな家」(6日公開)の公開直前舞台あいさつに竹林亮監督とともに登壇した。
作品は児童養護施設で、親と離れて暮らす子どもたちにスポットを当てた長編映画で、斎藤が企画、プロデュースした。施設での子どもたちの成長を描くが、基本的に18歳になり自立の準備ができたものから退所し、自力で生きていくことが求められる実情に「この作品が誕生しなければ、関わらなければ、見て見ぬふりをしていた日常があったと思う。近いのに近づこうとしなかった」と自身を振り返った。その上で「彼らに近づけたのは自分の人生において大きな出来事になった」と感慨深げに語った。
施設の子どもたちが被写体ということで、プライバシーを守ることを主眼に置いているが、斎藤は「モザイクをいれたり、目線をいれたりすることは、守る行為ではあると思うのですが、映画を見た当人の思いも様々で、出たい子もいる。映りたい子もいるという現実を聞いた」と驚いた様子。
作品の手応えについては「映画館という場所だけで守りながら、彼らの輝きを収められたと思う」と明かした。なお、作品はプライバシーの観点から配信、パッケージ化はせず、映画館のみでの上映となる。