将棋の第３７期竜王戦７番勝負の第６局が１２日、鹿児島県指宿市の「指宿白水館」で打たれ、藤井聡太竜王（２２＝名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖との七冠）が佐々木勇気八段（３０）を１０６手で下し、対戦成績を４勝２敗とし竜王４連覇を達成した。通算タイトル獲得数は２６期となり、同５位の谷川浩司１７世名人（６２）の２７期にあと１期と迫った。

　今シリーズでは２敗を喫しながら後手番で初勝利を飾り、地力の差を見せた。藤井七冠は特に終盤戦で佐々木八段の事前研究に苦しみつつ、「（今シリーズは）本局も含めて後手番で苦戦する将棋が多かった。内容としては課題が残るところもあったが、何とか防衛という結果を出すことができてよかったと思う」と振り返った。

　今年は６月に叡王を失い全八冠から七冠に後退した。ただ、その後のタイトル戦は落とすことなく、七冠を維持して年内のタイトル戦を終えた。また、藤井竜王が来季も同タイトルの防衛を果たすと「永世竜王」の資格を獲得する。

　通算タイトル獲得数は、来年１月１２日に開幕する王将戦７番勝負を防衛すれば５位の谷川１７世名人の記録に並ぶ。「新たに見つかった課題がいろいろあると思っている。一つ一つ改善して実力を高めて来期に臨めるように取り組んでいきたい」と今後を見据えた。