女流雀士・二階堂瑠美が明かす“野望”「麻雀を世界に」「ポーカーなどに肩を並べられるくらいに」
麻雀プロリーグ戦・Mリーグの女流雀士にインタビューする本企画。最終回は美人姉妹として知られるの姉・二階堂瑠美(EX風林火山)が登場する。5日の対局で見事にMリーグでは約1年半ぶりとなる役満をアガってみせ、女流雀士としての道を切り開いてきた二階堂が、現在の麻雀界、そして世界進出をにらむこれからを語った。
-二階堂姉妹として長い間活躍されているが、プロデビューされた当時から麻雀界も大きく変わったか。
「そうですね。昔は麻雀をやる若い女性がすごく少なかったです。我々が麻雀プロの二階堂姉妹として世に出始めた頃から“二階堂姉妹みたいになりたい”と言ってくださり、麻雀プロを目指す女性が増えた気がします。あとはCSなどで麻雀の番組を見て、お父さん、おじいちゃんとか、家族と一緒に麻雀を覚えましたという若い方もすごく増えました。麻雀は打てないけど、サインしてもらえませんかとか、写真撮ってもらえませんかという小中学生も増えましたね。その小中学生が大人になって、大学生、社会人になっていくのを経験してきました(笑)」
(続けて)
「二階堂姉妹としてメディアに取り上げていただいた最初の頃は“客寄せパンダ”的な役割もあって、競技麻雀を普及するための、ひとつのツールのような意識もがすごくありました。それでも結局、麻雀プロじゃないと参加できない競技麻雀が面白いので、強い人と打つために競技団体に所属してプロを続けている状態が、もう25年続いているというだけですよね」
-麻雀のイメージも変わった。
「もともとはギャンブルの要素が大きいゲームじゃないですか。麻雀というゲーム自体、そして競技麻雀がすごく面白くて、みんなに知ってもらいたいっていうのが最初にあったので、ギャンブルというイメージから離れてきているのはありがたいですよね」
-この先、目指しているものは。
「二階堂姉妹でYouTubeをやっていますが、世界に向けてのサブチャンネルで英字配信も始めています。連盟の世界大会が来年は東京で開かれますが、来年以降も続けていくはずですので、その普及の一助というか、もともとやっている広告塔としての活動を増やすなど、さまざまな形で貢献していきたい思いがあります」
-競技麻雀もワールドワイドに。
「最初に世界大会をやったのが12、3年前。フランスのパリで200人くらいが集まったんです。その後も日本の連盟ルールの麻雀を世界に広めることをコツコツとやっていますが、いずれは日本プロ麻雀連盟のアメリカ支部やフランス支部ができるくらい広げたいという思いでやっています。どうしても日本人の参加者の方が多いので、その比率が変わらないようになるまで、例えばラスベガスで何百万ドル、何億ドルの優勝賞金が出るようなポーカーなどに肩を並べられるくらいになるまで広げていきたいですね」
-姉妹で長い間、活動されているが、亜樹さんはどんな存在か。
「どんな存在…やっぱり妹ですよね。麻雀においては先輩でもありますし、二階堂亜樹という素晴らしいキャラクターでもある。麻雀プロとしては、自分とスタイルも考え方が違うプレイヤーで尊敬もできます。ただ、プライベートな部分では妹であり、頼れるパートナー。唯一無二の存在です」
-最後にMリーグのファンの方へメッセージを。
「麻雀というのは覚えてから半年でも30年でも同じように卓を囲めて、ともすれば覚えて3カ月の子が麻雀プロ30年の人にも勝てるようなゲームです。30年、40年やっていてもずっと飽きることのないすごく面白いゲームでもあるので、気軽に覚えて楽しんでいただきたいです。なかなかトップは取れないこともありますが、実際の勉強とか人生でも活用できるような考え方をたくさんもらえるゲームだと思うんです。人生って理不尽なこととかもあるじゃないですか。そのいろんな悲しい場面において、ヤケにならないとか、心が折れないとか、色々な考え方のきっかけを麻雀からもらえると思ってます。自分の物差しや視界を広げるきっかけになるゲーム…ひと言で言えば人生が豊かになる可能性があると思うんですよね。トップを取る楽しさだけじゃなく、2着の悔しさとか4着の悔しさも味わえて人生に通じるものがある。なので、ぜひ麻雀は子供にも教えてあげて、みんなでやってもらいたいです。非常に素晴らしいコミュニケーションツールですから」
◆Mリーグ 優勝賞金5000万円を9チームで争う。1チーム男女混成の4人で構成。レギュラーシーズンの上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位4チームがファイナルシリーズに進み、優勝を目指す。ABEMAで全試合無料生中継中。
◆二階堂 瑠美(にかいどう・るみ) 1980年生まれ。神奈川県出身。日本プロ麻雀連盟所属。妹で同じくプロ雀士の二階堂亜樹の影響で麻雀を始め、約1年でプロデビュー。21年にEX風林火山よりドラフト指名を受け、Mリーグに参加。美しい手役作りと、純真で天真爛漫な打ち筋から「天衣無縫」とのキャッチフレーズも持つ。