「追い風」になった2年連続トップバッター 令和ロマンM-1優勝を的中した記者が振り返る
漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2024」から一夜明けた23日、史上初の2連覇を果たした令和ロマンが東京・ルミネtheよしもとで開催された「年末スペシャル公演」に出演した。偉業達成後、初の舞台で平日ながらチケットは完売。この日の朝までに前年同様、優勝特需で仕事の問い合わせが約100件ほど殺到していることも判明し、売れっ子王者が人気をさらに加速させている。2人の優勝を的中させた担当記者が「神回」となった今大会を振り返った。
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準決勝のウケ量から優勝本命とした昨年王者・令和ロマンが史上初の連覇を成し遂げた事は圧巻と言う他ないが、驚きの2年連続トップバッターだったことが「追い風」になったと感じる。
例年トップバッターは「基準」となり、点数が伸びにくく逆風を受ける事が多い。昨年のトップバッター優勝も第1回大会の中川家以来。ネタ順決定の瞬間、司会の今田耕司をはじめ、会場全体がどよめいた。誰もが連覇は難しくなるのでは、と思ったかもしれない。
実際、高比良くるまも「正直終わったと思った」と振り返っているが、2年連続トップというドラマ性そのものが会場を沸騰させ、令和ロマンの主人公感を強めたように映った。異様な雰囲気のままスタートし、2人の経験値と技術力も相まってトップバッターの「ジンクス」を打破。漫才の熱を高めるように作用し、力強い味方にさせた。
むしろ、次にネタを披露したヤーレンズがやりにくさを感じたに違いない。関係者も「ウケ量が段違いだった」と言うほどの令和ロマンの余韻に飲み込まれ、ウケ量は大爆発とまではいかなかった。審査員は審査に困るかもしれないが、圧倒的にウケさえすれば他の挑戦者を飲み込める「強い順番」とも言えるのかもしれない。(デイリースポーツ・松尾 舜)