【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】伸びない所得…「買いたいけど買えない」状況どう乗り越えた?

 にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの相談に答えるコラムが今週からスタートします。初回は「伸びない所得」がテーマです。「いまはインフレの世の中で物価は上がるいっぽうです。でも、所得はなかなか上がりません。街を歩くと欲しいものがいっぱいありますが我慢しています。買いたいけど買えないという状況について、西村社長は子供の時や学生時代にどのような思い出があり、どうやって乗り越えてきましたか?」

  ◇  ◇      

 私は昭和45(1970)年に愛知県名古屋市で生まれました。幼少期に父が病気になり、それまで営んでいた焼き鳥店を手放し、家族で生活保護を受ける生活に入りました。おもちゃや贅沢品はもちろん、生活そのものに余裕はなく、周囲の友人が親に買ってもらうものをうらやましいと思うこともありました。

 しかし、そこで悲観するのではなく、「欲しいものは自分で稼いで手に入れる」と決意し、母の助言もあり13歳で新聞配達を始めました。その経験は私にとって人生を切り開くための大きな第一歩だったと思います。

 新聞配達の月収はせいぜい2万円ほどですが、その小さな収入を無駄にせず、着実に貯金を続けました。当時は家電製品が家庭に少しずつ普及し始めた時代で、高校生の頃には貯めたお金でラジカセやビデオデッキを購入しました。もちろん、自分だけが使うのではなく、家族と共有できるものを選ぶことを意識していました。

 そうした買い物を通じて「限られた資源をどう配分するか」を自ら考え、計画を立てる力を養ったのです。

 このように「何が本当に必要か」「欲しいものを手に入れるために何ができるのか」を考える習慣を13歳の頃から自然と身につけていました。当時はただ必死でしたが、振り返ればそれが私の人生の基礎を築いたのだと感じます。

 私はよく「お金持ちになる秘訣は何ですか?」と聞かれることがありますが、答えは単純です。「コツコツ積み上げること」しかないと考えています。一攫千金を狙うのではなく、小さな一歩を積み重ねることが、結果として大きな成果につながるのです。

 物価が上がり、所得が上がらない現代の状況は確かに厳しいものがあります。しかし、だからこそ、優先順位をつけて計画的に行動する力が重要です。たとえば、今の時代にはフリマアプリなど、私たちが若い頃にはなかった便利な仕組みがたくさんあります。それらを活用して、安価で質の高いものを手に入れる方法も広がっています。

 もう一つ、大切なのは「物の価値を見直すこと」です。学生時代、私は図書館で本を借りたり、散歩をして自然を楽しむ時間を大切にしていました。お金がなくても得られる豊かさは確かに存在します。それに気づくことで、目の前の困難に耐える力がつき、逆境に対する柔軟性が育まれるのです。

 私がこれまでの人生で学んだのは、「逆風の中でも希望を見失わず、小さな成功を積み重ねることが、未来を切り開く鍵になる」ということです。物価高に悩む今の状況は簡単には変わらないかもしれませんが、自分の行動次第で未来は変わります。困難に直面しても、それを乗り越える過程で得られる力こそが、人生をより豊かにしてくれるはずです。

 ◇西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数4万6000人。

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