元虎戦士がタッグ 川尻哲郎氏&的場寛一氏が舞台デビュー 新たな挑戦 川尻氏自身の店舗でみっちり稽古
プロ野球・阪神タイガースの元投手・川尻哲郎氏(56)と、1999年のドラフト1位内野手・的場寛一氏(47)が、11日から東京・コフレリオ新宿シアターで上演される「劇団チェンジアップ第3回公演『笑あっぷあっぷナイター』」(13日まで)で舞台デビューすることが分かった。プロとして同じ釜の飯を食い、引退後はタレントとして同じ事務所に所属。ユニークなセカンドキャリアを歩む仲良しな先輩後輩の2人に、新たな挑戦への意気込みを聞いた。
東京・新橋のスポーツバー「TIGER STADIUM」の店主を務めながらタレント活動を行う川尻氏は、今作で俳優デビューに加え、元巨人投手の前田幸長氏とコンビを組み芸人デビューも飾る。約2カ月間、開店前の自身の店舗でみっちり稽古も積んだ川尻氏は、初物ずくめの舞台出演に「ビックリした」としつつ、強心臓で鳴らした現役時代さながらに「まあ可能性を秘めた男なんでね」とニヤリ。ドジャース・大谷翔平も驚きの“四刀流”に自信を見せた。
前田氏との“TGコンビ”については「意外にM-1も行けちゃうかも」と豪語。「負けたら終わりなんで、初戦突破」と着実な目標も設定し「これを機にどんどん漫才をやっていきたい。ミスるのはよくあるから、ミスも笑いにする。ミスった時いかに笑いを取るかが勝負なんで」と余裕すら漂わせた。
川尻氏らとコントに挑戦する的場氏は「この歳になって、断るよりはまず第一歩、踏み込もうかなと思って」と新たな挑戦に前のめり。実際は、川尻氏からの半ば強引な誘いもあったとし「先輩の言うことは絶対なんでね」と苦笑いしつつ出演を決意した。
現役時代は阪神で同じ時代を戦ったが、意外にも交流はなかったという。川尻氏は「バント処理で二塁に投げた球を的場がスルーして無死一・三塁になっちゃって大ピンチを試合中に作った。結局0点に抑えるわけだけど、それがグラウンドの中で一番思い出」と笑い、的場氏は、当時から川尻氏が「すごい優しいから接しやすいっていう印象」と笑顔で説明。今は“ジリさん”と呼んでおり「ジリさんのフリは今度は“スルー”しないように受け止めたい」と公演へユニークに意気込みむと、川尻氏は「そう言ってもらえるならちょっと変化球でも投げちゃおうかな」とおちゃめにボケた。
今作は野球実況で人気を博した元ニッポン放送のフリーアナウンサー・松本秀夫氏が立ち上げた劇団の公演で、野球に特化したコントや人情喜劇などを行う。出演には虎党で知られる歌手の浅香唯や、元阪神の江本孟紀氏、元ヤクルトの荒木大輔氏といったプロ野球OBも名を連ねている。
◆川尻哲郎(かわじり・てつろう)1969年1月5日生まれ。東京都出身。1994年、日産自動車からドラフト4位で阪神に入団。右投げ右打ち。98年5月26日、中日戦でノーヒットノーランを達成。2005年に現役引退。通算成績227試合登板、60勝72敗3セーブ、防御率3・65。
◆的場寛一(まとば・かんいち)1977年6月17日生まれ。兵庫県尼崎市出身。1999年、九州共立大から阪神を逆指名しドラフト1位で入団。右投げ右打ち。遊撃手、外野手などを務めた。2005年に阪神を退団し、06年からトヨタ自動車硬式野球部に所属。社会人野球日本選手権大会の2連覇に貢献するほか、優秀選手にも輝く。12年に現役引退。