俳優・上條恒彦（８４）が１１日、都内で映画「シンペイ～歌こそすべて」の公開記念舞台あいさつを昨年末に、患った誤嚥性（ごえんせい）肺炎のため欠席し、出演の俳優・緒形直人から手紙が代読された。

　今作ではエンディングテーマ「ゴンドラの唄」をレコーディングした上條は、昨年１１月、長野県松本市で開催された先行上映会では歌を披露。しかし、昨年末、気道に食べ物や唾液と一緒に細菌が入り肺炎を起こす誤嚥性（ごえんせい）肺炎となり、一時は危篤状態に陥ったという。

　登壇した新田博邦プロデューサーはこの日の舞台あいさつの会場で歌う予定だったと明かし「来てくださる予定だったんですが、去年の暮れに肺炎となり、一時は危なかった」と説明した。今年になり容体は徐々に回復しているという。

　出演した緒形は神妙な表情で「上條さんのメッセージを代読させていただきます」と言い、手紙を広げ「本日は折角、起こしくださいましたのに、皆様の前で歌えないことが残念でなりません。この歌は大先輩でもある森繁さんや色んな方々が歌う名曲です。その昔私自身も憧れて歌った経験もありましたが、今回のエンディングテーマとしてレコーディングできたことは、天から中山晋平先生のプレゼントかと思ったくらいです」と手紙で明かした。

　さらに「懐かしさの中に、切なくなる不思議なメロディは、何十年経っても色褪せず、音楽の素晴らしさを感じます。どうぞ心ゆくまでお楽しみください　上條恒彦」と読み上げられた。