Aぇ!group・佐野晶哉 「阪神・淡路大震災」被災していない同世代へ届ける朗読劇「自分をきっかけに知ってくれたら」 #阪神淡路大震災から30年

 阪神・淡路大震災から復興する西宮で生まれ育ち、今回震災をテーマにした音楽朗読劇に挑むAぇ!group・佐野晶哉(撮影・伊藤笙子)
 阪神・淡路大震災から5年後の神戸を舞台にした音楽朗読劇「ひまわりの歌~ヘブンズ・レコードからの景色~」で主人公を演じるAぇ!group・佐野晶哉(撮影・伊藤笙子)
 音楽朗読劇「ひまわりの歌~ヘブンズ・レコードからの景色~」で主人公を演じるAぇ!group・佐野晶哉(撮影・伊藤笙子)
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 阪神・淡路大震災の発生から、17日で30年を迎える。甚大な被害が発生した兵庫県西宮市出身のAぇ!group・佐野晶哉(22)が、地元で起きた震災と向き合い、感じた思いを伝える。音楽朗読劇「ひまわりの歌~ヘブンズ・レコードからの景色~」(17日開幕、神戸朝日ホール)に主演し、自身も実際に被災していない世代だからこそ「自分をきっかけに知ってくれたら」と同世代に語りかける。

 震災から30年という節目。当時は生まれていなかった佐野も、改めて被災した地元を深く知り、家族とも当時について話すきっかけとなった。

 「学校で学ぶことはあった。でも家に帰って家族で震災について話すことはあまりなかったかな。でもこの作品がきっかけになって話すことができた。本当に知らないことが多かった」。

 30年前のあの日、西宮の実家も被災。「家の中もほんまにぐちゃぐちゃになった。それを直すだけでも何日もかかった。家電が倒れたら死んでいたかもしれなかったと聞いて、家族がそれくらい危なかったというのは今まで知らなかった」

 佐野自身は、震災から7年後に生まれた。小学生の時に授業で見た、柱が折れてつぶれた阪神高速の写真は、今でも忘れられないという。「家族で車を乗る時には本当によく使う場所だった。そんなことになっていたのかと衝撃だった」。身近な場所だからこそ記憶には刻まれている。

 今回、佐野が主演する朗読劇も阪神淡路大震災から5年後の神戸が舞台。4つのストーリーをオムニバス形式でつむぎ、生演奏やイメージ映像を盛り込んだ作りとなる。演じるのは音楽の道を志す主人公・タケルで「すごく共感できる」と自身と重ねる。

 「タケルは、復興にエンタメはいらないんじゃないかという葛藤を抱く。そこは共感した。僕は震災ではないけど、コロナ禍の時に同じようなことを経験した。ライブも全部中止。エンタメを届けようとしても『必要ないぞ』という世の中の風潮もあった。さみしいなって4、5年前にすごい実感した。それでも音楽を届けたいんやって、前向きになる部分も含めて共感した」

 朗読劇のオファーを受けた際、5年ほど前に関西の先輩のSUPER EIGHT・安田章大から「アイドルの俺たちが舞台、映画、ドラマに出て作品を届ける意味って普通にそういう題材を扱っていても絶対に届かへん層に届けることができるからやで。俺らの仕事って尊いんやで」と伝えられたことを思い出したという。佐野は「当時はあまり意味が分かっていなかったけど、今なら分かる」と強調した。

 「自分がこの舞台出演させてもらえることによって、自分と同世代や下の世代にこの舞台をきっかけに何か感じてもらえたらうれしい」と理想を描く。「未来の防災のことについても何か備蓄や対策をしておこうかなとか、そんなことを思ってくれたら。見た方には何か忘れられないぐらいの強烈な思い出になるような舞台にしたい」と使命感をにじませた。

 ◇佐野晶哉(さの・まさや)2002年3月13日生まれ。兵庫県西宮市出身。中学3年時の16年に事務所入り。19年2月結成のAぇ!groupのメンバー。24年の映画「明日を綴る写真館」出演。同年ABC・テレビ朝日系「離婚後夜」で地上波連ドラ初主演。趣味は作曲、ギター、ドラム、サックス、ピアノ、釣り。特技・カラオケ100点。血液型B。

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