覆面作家・雨穴氏が初会見 特派員協会壇上で踊り出す“奇行” 「変な絵」異例の世界30の国と地域で同時出版 「日本人は不安な気持ちにさせる物語が好きみたい」
ホラー作家&Youtuber・雨穴氏が16日、東京・外国人特派員協会で“世界デビュー”緊急記者会見を行った。
いつもの白のお面に黒の衣装というビジュアルで登場した雨穴氏。マスコミの前に登場して会見をするのは今回が初となった。
会見の最初に「自分で書いた原稿」だという英語であいさつ。「正直、今とても緊張しています」などと話し始め、「今、多くの日本人は静かで不気味な、不安な気持ちにさせる物語が好きみたいです」とボイスチェンジャーを使用した声で自身の作品が人気の理由などを説明した。
さらに「今の世界は日本も含めて悲しいことばかりで大変な時代です。もしかしたら若い人や子どもたちは、そのような不安な空気を感じ取り、それに対処するために、このような不安な物語に目を向けているのかもしれません。とても悲しいことです」と語り、「だから代わりに、私はいい物語を書いて若い人たちに楽しんでもらいたい」とした。
海外メディアからも奇妙なビジュアルの特長を指摘され、「私の見た目は海外の方だけでなく日本の方から見ても怖いと思います」と話し、「私は仮面を脱ぐと国民的大スター、ということはなくて、おそらく犯罪者ということでもない」と笑いを誘った。
その上で「ただ、自分の実感として、今は何人かの日本人の子どもたちがコスプレをしたりとか、イラストを描いてくれたりとか、子どもたちがビジュアルを気に入ってくれている。第一印象は怖いと思うけど慣れると親しんでくれるのかな、と楽観的に思っています」と答えた。また、会見中には「私は今、緊張しているので一応、踊っておきます」と壇上で踊り始める“奇行”も見せた。
素性を一切明かしていない覆面作家として活躍する雨穴氏は、2021年刊行のシリーズ1作目の単行本「変な家」などで話題に。24年には年間売り上げ第1位だった「変な絵」が国内でシリーズ累計120万部となり、異例の世界30の国と地域での出版が決定。この日、日本、イギリス、そして同じく1月中に米国、フランス、スペイン、オランダにて世界同時出版がされる。「世界中の人々が私の物語を楽しんでくれることを願っています」と期待を込めた。