【山本浩之のぴかッと金曜日】フジの社員に言っておきたいこと
10時間半近くに及んだ27日のフジテレビの記者会見を見ながら、改めて『企業風土』について考えてみた。
1回目の失敗に続く2度目のグダグダ。大企業、さらには報道機関として、何ともお粗末な姿を世にさらけ出してしまったものだ。初動で、こうした問題を専門に取り扱うセクションを蚊帳の外に置き、限られたごく一部の幹部のみで対応しようとしたためにどんどん間違った方向に舵(かじ)を切ってしまった。なれの果てが先日の会見である。言い訳はいかようにも出来る。しかし、テレビを見た視聴者に響くものは何もなかったのではないか?
翌日の新聞には、会見を見たフジ社員の失望と落胆を伝える記事もあった。自分が働く会社の実力はこの程度のものなのか。この後に及んでなお、40年以上にわたりグループを支配する日枝久氏だけを守ろうとしているのか…。会長や社長たちのぶざまな姿を見て、そう落胆した社員も多かったはずだ。
しかしそれは、あなたたち社員の姿でもあるのです。他の役員同様、日枝氏が責任を取るのは当然だが、彼が辞めただけで会社は変わるだろうか。私はそうは思わない。長年に渡り築いた文化や価値観を『企業風土』と呼ぶならば、それを作り出したのは、他ならぬあなたたち社員なのだ。
「楽しくなければテレビじゃなかった頃のフジの黄金期に私たちはいませんでした」との反論もあるだろう。確かにあの頃はおかしかった。同じフジ系列局で仕事をする私の目にも、当時のフジはまぶしくもあり、異様でもあった。その頃のフジとは直接関係はなくとも、残念ながら今ある風土はそこから生まれたものなのだ。その中に身を置いて、私は染まっていませんと言い切れるだろうか?不幸なことだが体質は染みついてしまうものだ。
では、これを変えるチャンスはないのか?そんなことはない。あなたたちがどれくらい本気になれるか、その一点にかかっている。まずは本気で検証番組を作ってはどうか。フジで一番信頼できる報道番組は『プライムニュース』(BSフジ)だ。これをBSだけでなく地上波で徹底的にやれば良い。キャスターの反町理氏は社の取締役、最適任ではないだろうか。
もう一つ。今回の騒動で、多くの社員が組合に加入したと聞く。フジの労組はこれまでひ弱だった。それは、多くの社員が組合に関心すら寄せなかったから。組合を必要としなかったから。1300人も社員がいるのに数十人しかいない組合を会社がまともに相手にする訳もない。今回の件で500人まで一気に増えたと聞くが、まだまだ全然足りない。管理職こそ加入すべきである。一部マスコミがあおるようなストライキをせよと言っているのではない。組織力を大きくし、その力で経営陣に向き合い、新しいフジテレビを作り上げねばならない。
会社にとって一番大切なのは、クライアントでも株主でもない。社員なのです。あなたたちの手で『企業風土』を変える時なのです。(元関西テレビアナウンサー)
◆山本浩之(やまもと・ひろゆき)1962年3月16日生まれ。大阪府出身。龍谷大学法学部卒業後、関西テレビにアナウンサーとして入社。スポーツ、情報、報道番組など幅広く活躍するが、2013年に退社。その後はフリーとなり、24年4月からMBSラジオで「ヤマヒロのぴかッとモーニング」(月~金曜日・8~10時)などを担当する。趣味は家庭菜園、ギターなど。
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