トップグラドルから転身 俳優・奈月セナの“魔性”開花 “托卵”たくらむ女性熱演「悪女的な部分感じたことあります」
グラビアアイドルとして頂点に立った奈月セナ(29)が、俳優として開花の時を迎えている。現在放送中の日本テレビ系「そこから先は地獄」(火曜、深夜0・24)では、不妊治療に悩む中で夫からモラハラを受け、復讐として“托卵”をたくらむ女性役を好演。5月公開の映画「痴人の愛」では、文学史に残る名作を体当たりで演じ話題となった。その美貌と抜群の色気から“魔性の女”役が定着しつつある中、表現者としてさらなる可能性を求め、日々鍛錬を続けている。
男女のリアルな“業”を生々しく描いた話題作「そこから先は地獄」。演じている自身も「今の時代、こんなお話あるの?っていうぐらい。全員何かしら抱えてるし、不倫してるし…。衝撃的ですよね」と笑った。
身長172センチと高身長のモデル体型に、キリッとした美貌の持ち主。自身も“悪女”的に見られがちなのでは…との問いには「托卵とか不倫とか、そこまでの悪女要素はないんですけど」と苦笑しつつ「ちょっと男性を手の上で転がしてみたいとか…。実際にやるとやらないとかではなく、自分の中にそういう悪女的な部分を感じたことはありますね」と妖艶にほほ笑んだ。
話題を呼ぶ作品だけに、熱演の反響は大きかった。「反応はすごくいただきましたし、ドラマの公式インスタグラムに『切り抜き動画』が載ってて、その再生数もかなりの数。『印象に残った』って評価してくださる方もかなり多いですね」と手応えを感じている。
2018年にグラビアデビューし、1年ほどでトップにのし上がった。並行して俳優業も行ってきたが、最大の転機になったのが、今年5月公開の映画「痴人の愛」の主演。文豪・谷崎潤一郎の名作で、過去に何度も映画化された作品。奈月は主人公・ナオミを演じ、濡れ場では大胆なオールヌードも披露した。
作品を振り返り「大作へのプレッシャーはものすごく感じてたし、原作を(脚本では)現代版に変えてるので、原作ファンが見て、イメージを壊さずに守りながら、でも新たな要素を加えていくのは難しかった」と述懐。「自分でもよくやったと思います」と笑みを浮かべた。
「自分の中でも殻を破るきっかけが必要だった」という中、本格的な俳優転身の第1作が超大作だったことはプラスに働いた。「この仕事でしか得られない喜びもある。正解がないところで苦しさはあるんですけど、役柄を一つずつひもといていく作業が楽しくて、グラビアとは違ったやりがい」と声を弾ませた。
俳優として、自らのペースをつかみつつある現在、奈月の信念は「仕事は選ばない」ことだという。「私、グラビア時代に仕事を選びすぎて、挫折っていうか、自分で自分の首を絞めたんです。高額な撮影会(10分2万円)をやったり…。嫌われても仕方ないですよね」と苦笑い。「なんであの時はあんなに自分に自信があったんだろうって、謎で仕方ない」と冗談めかしながら話した。
まだ自身の“肩書”は定まっていないというが、俳優業へのウエートは高まっている。「日々、演技のために生きてる…じゃないですけど、ちょっと感覚が変わりました。例えば電車に乗ってても、ちょっとした人の様子を見るとか、人間観察は特にするようになってますね」という。
私生活では来年、30歳を迎える。“悪女俳優”の恋愛事情も気になるところだが、「不倫とかその以前に、彼氏もいないので何も起きない」と笑い飛ばしつつ、「5年付き合った彼と別れたんですよ。なんか、相手に期待しすぎてたな…って。結局、自分のエゴの方が強かったなって思うことが多くて、それを考えてたら次の恋愛に進みづらくなりましたね」としみじみ話した。
紆余曲折を経て、仕事にも、自分自身にも正面から向き合う日々。今後の目標についても「目の前にいる現場の皆さんと一緒に、その日のシーンをちゃんと着実に作ってくこと」と、しっかり足元を見据えた。
