５月２５日の握手会（岩手県滝沢市）で発生したメンバー襲撃事件の影響で延期されていた、アイドルグループ・ＡＫＢ４８の握手会が５日、東京ビッグサイト（東京都江東区）で再開された。警備員はこれまでの７倍にあたる３５０人に増員され、警視庁の腕章を巻いた私服警官も警備にあたる厳戒態勢。メンバーとファンは高さ１メートルの柵越しに握手を交わして“再会”を喜び合った。

　“会いに行けるアイドル”が、本来の姿を取り戻した。従来の７倍となる３５０人の制服警備員と私服警官が鋭く目を光らせる中、事件から４１日ぶりに握手会が再開された。

　入り口では、ハンディー型の金属探知機５０台でボディーチェック。持ち込み荷物は大きさが縦・横・高さの合計９０センチ以内の物１個に制限され、結婚指輪以外の指輪は外すよう求められた。

　メンバーそれぞれの背後には警備員が配置され、高さ１メートルのプラスチック製の柵越しにファンと握手。従来はメンバーがいるレーンごとにパーティションやカーテンなどで完全に仕切られる“密室状態”だったが、仕切りの数を減らし、警備員やスタッフからメンバー全員が見渡せるスタイルになった。ファンの流れも、メンバーの前を通過する形式から、メンバーの前まで行って戻るＵターン形式に変更された。

　握手会にはメンバー２５０人が参加したが、事件で被害に遭った川栄李奈（１９）と入山杏奈（１８）は療養のため不参加。グループ総監督の高橋みなみ（２３）は交流サイト・Ｇｏｏｇｌｅ＋で「会えてよかった」とつづり、柏木由紀（２２）もブログで「本当に本当に楽しかったです」と、ファンとの“再会”を喜んだ。

　午前９時にスタートした握手会は、大きな混乱なく午後９時半に終了。さいたま市の女子中学生（１４）は、複数所持していたメンバー指定握手券のうち１枚が入山とのもので「今日はダメだったけど、あんにん（入山）にも早く会いたいです」と願っていた。