松井玲奈 涙と笑顔でSKE劇場に別れ
SKE48の松井玲奈(24)が31日、名古屋・栄の専用劇場で卒業公演を行い、アイドルとしての“2588日の青春”にピリオドを打った。
キャッチフレーズである、かすみ草の花冠を後輩から贈られた玲奈は、「この7年間は私にとってかけがえのない物で、すべてが宝物です」と別れのあいさつ。ステージには上がらなかった松井珠理奈(18)も、劇場の別室で門出を見届けた。
自身のイメージカラーである緑のペンライトに照らされて、最後の汗を流した。乱れ髪も気にしない全力パフォーマンスに注がれる、客席のファン285人からの熱視線。キャッチフレーズ「SKEのかすみ草」にちなんだ花冠で彩られた玲奈が、ラスト1曲を残して心境を語った。
「私の青春はSKEだと胸を張って言えることを誇りに思います。次の花を咲かせる準備を始めます。これからも太陽やお水をあげてくれたらうれしいな。次はかすみ草より、もっと大きな花を咲かせられたら」。涙をこぼし、声を詰まらせ告げた別れの言葉。チームEでの公演のため、出番のなかった珠理奈も別室で聞き入った。
決して順風満帆なアイドル人生ではなかった。SKEが劇場デビューした2008年10月5日、立ち位置は3列目の端。09年3月にはAKBのシングル「10年桜」の選抜に初抜てきされるも、ミュージックビデオに、ほとんど映ることはなかった。珠理奈とのWエースのポジションは努力と向上心で勝ち取った産物だ。
だからこそ、もどかしさを感じることもあった。2カ月前に旅立ちを決断してからは「もっと上を目指す気持ちを後輩たちに持ってほしい。『その場所には行けないですよ』みたいなことを言われるけど、そうじゃない!!」と金言を残し、SKEの未来を託した。
最終公演の締めくくりに選んだのは、別れがテーマの曲「遠くにいても」。歌い終える頃には笑顔を取り戻し、晴れやかな表情で、思い出の染みこんだステージを降りた。
日々精進-。玲奈は今後の指針を4文字に込めた。SKEのエースという金看板を降ろしても、立ち止まることはない。女優の道へと歩を進める。