歌手の後藤真希（２６）が４日、千葉・幕張メッセでラストライブ「Ｇ‐Ｅｍｏｔｉｏｎ　ＦＩＮＡＬ」を行い、５０００人のファンに別れを告げるとともに芸能活動休止に入った。アンコールには中澤裕子（３８）、安倍なつみ（３０）らモーニング娘。時代の同僚８人も登場し、代表曲で後藤にとってのデビュー曲となる「ＬＯＶＥマシーン」を号泣しながら熱唱。１２年４カ月のアイドル人生を締めくくる“卒業式”に花を添えた。

　卒業式が同窓会に変わった。サプライズはアンコールで起こった。活動休止までカウントダウンに入った後藤が呼び込んだのは、苦楽をともにしたメンバーだった。

　「すてきな仲間たちが駆けつけてくれました！」。嵐のような歓声の中、中澤、安倍、飯田圭織（３０）、矢口真里（２８）、石川梨華（２６）らが旅立ちを祝福しにやってきた。

　全盛期のモーニング娘。が一夜限りで帰ってきた。中澤に肩を抱かれると、我慢できなかった。両目からとめどなく涙があふれた。「居場所があるんだな」と甘えるようにつぶやく後藤に、中澤は「あるんだよ、いつだって」と頭をなでた。

　久々に９人で歌ったのは後藤が鮮烈なデビューを飾った「ＬＯＶＥマシーン」。超満員の観衆とともに、指をかざしながら大興奮でパフォーマンスした。客席で見守った高橋愛（２５）や里田まい（２７）も立ち上がり踊った。

　「燃え尽きたい」という宣言通りに完全燃焼した。衣装はセクシーなビキニから特効服まで、出し惜しみない９変化。会場の目をくぎ付けにしながら、全２４曲で１００パーセントを出し切った。

　激動の芸能人生だった。９９年８月にモー娘。に加入。翌月に発売された「‐マシーン」が１６５万枚を売り上げ、スターの階段を駆け上がった。しかし、０７年に元アイドルの弟（２５）が、強盗傷害の容疑で逮捕されて暗転。昨年１月には母・時子さんが５５歳で急死した。芸能活動休止は、最愛の人を亡くしたショックから自分を見つめ直すために選んだ道だった。

　「自分はめっちゃ強がり。１人で勝手に背負っちゃって、自分以外のだれかの幸せを優先してきた」。支えてくれたファンに本音を漏らした。今後の予定を「何も決めていない」という後藤に、「待ってるよ！」という声が飛んだ。「またみんなに出会える日を楽しみに頑張る。浮気しないでね！」。いったんリセットして２６歳の普通の女性に戻ったが、引退ではない。しばしの休息の後、笑顔で戻ってくる日がいつかやってきそうだ。