根津甚八 最初で最後の俳優復帰
2010年9月に俳優業からの引退を発表した根津甚八(67)が、東出昌大(27)主演の映画「GONIN サーガ」(9月26日公開)に出演していることが16日、分かった。
95年公開の前作「GONIN」のメーンキャストの1人であり、盟友・石井隆監督(68)のために最初で最後の俳優復帰。節目の映画出演50作目となる根津は「やり遂げたことで、未練を捨てて、終止符を打てた」と俳優人生に区切りを付けた。
引退発表した2010年以降、姿すら見せていなかった根津甚八がスクリーンに帰ってきた。
豪華キャストが出演した伝説的映画「GONIN」の19年後を描く続編。前作では佐藤浩市(54)、本木雅弘(49)、根津ら5人の主人公一味が暴力団大越組を襲撃し、追っ手のビートたけし(68)演じる殺し屋・京谷との攻防が描かれた。
根津は前作ラストで京谷の銃弾に倒れているが、続編では植物状態で生きていた設定。東出ら新たな“GONIN”の最後の1人として目を覚まし、物語のキーマンとなっていく。私生活では病気のためマヒが残り、車椅子での生活が続く根津だが、オーラは健在。久しぶりの演技で作品に熱量を与えている。
映画50作目にして、石井作品は自身最多の8作目。根津は「自分自身が志すような演技者であることが困難になったため、引退を決めた。石井監督でなければ、この仕事は受けなかった」という。
根津の自宅まで何度も足を運んでオファーし続けた石井監督は「やはり根津甚八はどこまでも役者・根津甚八だ。“根津甚八の今”を撮るのが恩返しと思って現場で叫んでいた」とコメント。東出も「感動とか、言葉にするだけ無駄な思いを、根津さんと共演させていただき、感じました」と振り返った。
根津にとっては、本当の引退作。「未練を捨てて、終止符を打てたと思う」と最後の勇姿を見せている。