河瀬監督「感無量」、新作カンヌで上映

 第68回カンヌ国際映画祭で、河瀬直美監督の新作「あん」(30日公開)が「ある視点」部門のオープニングを飾った。上映後、喝采を浴びた河瀬監督(45)は「感無量です」と話し、主演の樹木希林(72)は「すごく恥ずかしかったです。大勢の前で自分の姿を見るのは」と照れた。

 どら焼き店の雇われ店長で刑務所帰りの男(永瀬正敏)、店で働きたいと懇願する元ハンセン病患者の女性(樹木)、客の中学生(内田伽羅)のドラマで、原作はドリアン助川(52)。河瀬監督は「ハンセン病を患って、人に知られることなく逝ってしまった魂がたくさんあることを考えると、(映画化して世界に披露できたのは)あり得ない(ほどの)現実かなと思います」と語った。

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