藤田ニコルから学ぶ最新ギャル事情

ギャルブーム再燃に期待する藤田ニコル
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 女優・有村架純(22)主演映画「ビリギャル」のヒットや、漢検1級のガングロギャルがネットで話題となるなど、“頭のいいギャル”が注目を浴びている。一方で、10代女子向け雑誌「ポップティーン」で活躍する“天然ギャル”の「にこるん」ことモデル・藤田ニコル(17)も人気を集めている。

 年々、多様化が進むギャルは何を考え行動しているのか。現在、高校3年生で「進路はギャルの神」と語る藤田に最近のギャル事情を聞いた。

 ロシアとポーランドのハーフの父と、日本人の母を両親に持つ藤田はツイッターのフォロワー数28万5621人(5月23日現在)の人気者。アップする自撮りは「どこまで詐欺れるかが勝負。無加工は無理」とぶっちゃけ、「隠しているのがめんどくさい」と4月に別れた彼氏との交際も自由に語ってきた。

 オープンな性格に破天荒な言動が注目を浴び、今年からテレビ番組「今夜くらべてみました」「行列のできる法律相談所」に出演し、露出が増えた。4月からは朝の情報番組「めざましテレビ」内のコーナー「イマドキ」の“イマドキガール”を務め、ポップティーン5月号の表紙も飾った。

 イマドキのギャルの顔ともいえる藤田にギャルの定義を聞くと、「私も『ギャルなのかな?』と思うときがあって、ガングロの子がギャルなのかなと思うときもある。でも、何でもいい。ノリ。ギャルが好きならギャル」。勢いが大事らしい。

 1990年代から歌手・安室奈美恵(37)に憧れる“アムラー”が出現するとコギャル、ガングロと広がり、現在も多種多様なギャルが存在する。最近は「あーね(あー、そうだね)」「それな(そうだよね)」など共通の若者言葉はあるというが、「みんな個性の塊だから、はやるものが合わない。そこが面白い」。人のマネで終わらずに自分らしさを追求する傾向があるようだ。

 藤田によれば、ギャルの脅威は「アイドル」という。「アイドル文化が来てからギャル文化が静まり返った。『元をいかしたほうがいいんじゃないか』とメークを薄める人が増えた。アイドルがかわいいから」と衰退を実感しながら、その影響力に舌を巻く。ド派手な容姿で個性を求める藤田にとっては、「アイドルみんな、同じにしか見えない。髪の毛も染めて個性を出せばいいのに。アイドルいっぱいいすぎ。全部、清楚すぎる。つまんない。私がなりたいくらい。ギャルのアイドル作っちゃえばいいね」と巻き返しに意欲を見せている。

 持論を展開する藤田もそもそもは清楚系からギャルに“転身”した1人という。自身は女優・新垣結衣(26)や能年玲奈(21)が活躍したローティン向け清楚系雑誌「ニコラ」の専属モデルを務めていたが、中学1年生のときにギャル系のファッションも扱う「ポップティーン」を購入してギャルに目覚めた。「同じ清楚系で黒髪じゃつまらない」と「ニコラ」では唯一、カラコンの装着を許された。14年6月から「ポップティーン」の専属モデルになった。

 自身が開発したポーズ「にこるんビーム」を披露すれば「包容力」が読めないなど“おバカ”な一面も見せるが、「仕事は熱く真面目。見た目で決めつける大人が悪い」と真剣な表情ものぞかせる。「ビリギャル」のように、見た目とのギャップが魅力のようだ。

 ギャルのギャップに魅了された“文化人”もいる。初の本格小説「火花」が三島由紀夫賞にノミネートされ高評価を受けたお笑いコンビ、ピースの又吉直樹(34)。26歳の時にギャルのファンになり、「自分を持っていて共感できる」とギャルの持つ独特な感性を絶賛している。

 影響力もあるギャルにぞっこんの藤田は今後、「勉強に興味ない。大学もいかない。進路はギャル。ギャルの神になれれば」と壮大な目標を掲げている。アイドルブームに負けじとギャルブーム再燃となるのか。藤田を始め今後、ギャルが何を発信していくのか注目したい。

 (デイリースポーツ・上野明彦)

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