野村萬斎 主演映画で初の現代劇に挑戦
狂言師の野村萬斎(49)が、初めて現代劇に挑戦することが26日、分かった。映画「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」(来年GW公開)に主演し、元芸人で引きこもりの超能力者という異色キャラを演じる。ドラマ「リーガル・ハイ」「相棒」などの人気脚本家・古沢良太氏(41)が野村を当て書きしたオリジナルのサスペンスコメディー。共に事件を追う相棒を「雨上がり決死隊」の宮迫博之(45)が演じる。
映画「陰陽師」「のぼうの城」など数々の作品で座長を務めてきた野村だが、意外にも現代劇は初。現場では「平成の男は初めてです」と冗談も口にしているという。
野村が演じるのは、物や場所に残った人間の記憶や感情(残留思念)を読み取ることのできる超能力者にして、引きこもりの元芸人・仙石。かつて能力を生かした漫才を披露していたが、人間の裏の顔に嫌気がさし隠居生活を続けている。夏場でも厚着の根暗で偏屈な異色キャラだ。
狂言で鍛えられた発声や立ち姿が魅力の野村だが、今回のキャラには“障壁”となった。ボソボソとしゃべる役柄なのに声が通り過ぎ「大きな声を出さないでほしいと監督に言われているところです」と苦笑いする。
芸人時代の相方で、探偵としての“相棒”となる丸山役は宮迫。初共演の野村は「漫才師になったよう」と早くも息ピッタリ。宮迫も「とにかく初対面の感じはしなかったです。不思議と、何の違和感もなくリズムよくできる」と、名コンビの気配を漂わせている。
物語は、そんな2人の元に失踪人探しの依頼がくるところから始まる。15日から撮影が始まっており、8月末にクランクアップ予定。「相棒」「探偵はBARにいる」シリーズを手がけてきた東映の須藤泰司プロデューサーは「当然、続編も視野」と語っており、新たに誕生する異色コンビに注目だ。