河瀬直美監督 イラン人監督作品に感銘
映画監督の河瀬直美氏(46)とイラン人のモフセン・マフマルバフ氏(58)が20日、都内で、ジョージア、英仏独合作映画「独裁者と小さな孫」(12月12日公開)のトークショー付き試写会に出席した。
マフマルバフ監督がメガホンを取った同作は、国を追われた独裁者の、小さな孫との逃亡旅を描く。既に作品を鑑賞したという河瀬監督は「文化は映画に変えられて国境を越えていくことにすごい意味があるんだろうなってあらためて思った」と、自身が監督を務めた映画「あん」も世界的評価を受けているだけに、国外を視野に思いを語った。
今回が来日6回目というマフマルバフ監督は日本を好んでおり、「日本の方たちは1番信用できる人たち。いつも日本人を尊敬している」と敬意を表した。だが、「今回来てがっかりしたことは70年間平和を守った国が、なぜ今平和を捨て、戦争の方に走っていくのか」と9月に安全保障関連法が可決されたことから、持論を展開した。
さらに、イスラエルでは若者を留学などで国外に出す傾向があるといい「(現地住民に)なぜか聞いたら『この国にいればいずれ誰かを殺すか、殺される。それが嫌だから自分の子供を外に出す』と話していた」と明かした。「日本もそのようにならないように祈っています」と日本の平和を心から願っていた。