「おじゃる丸」原案者 漫画家・犬丸りんさん、飛び降り自殺「仕事ができない」
【2006年9月12日付デイリースポーツ紙面より】
NHKの人気アニメ「おじゃる丸」の原案者で漫画家・エッセイストの犬丸りんさん(48)が10日に東京都武蔵野市内の自宅マンション屋上から飛び降り自殺をしていたことが11日、分かった。自宅には遺書が残されており、警視庁武蔵野署によると、母親に「仕事ができない」などと話していたという。仕事上の悩みが原因とみられている。
同署の調べによると、犬丸さんは10日午後1時28分ごろ、同市吉祥寺本町2丁目の14階建てマンションの屋上から、隣の5階建て建物の屋上まで約19メートル転落。マンションの住民が物音に気づき110番通報し、救急車で病院に運ばれたが、全身を強く打ち死亡が確認された。ほとんど即死状態だったという。
犬丸さんは同マンションの7階の1室を事務所兼自宅として1人で暮らしており、数枚に書かれた遺書があった。同署は遺書の内容は明らかにしてないが、飛び降り自殺とみている。また、犬丸さんがこれまでにも自殺を図ったことがあるかどうかについては否定している。
犬丸さんは筑波大大学院修士課程を修了。「ゆびきりげんまん」で漫画家デビューし、98年10月スタートのNHK教育「おじゃる丸」(月~金曜、後5・50)が大ヒット。番組は今年4月から第9シリーズ(1年間)に入り、NHKのオリジナルアニメとしては最長寿記録を更新中。原案の犬丸さんは第4シリーズまでは構成なども担当したが、02年4月からの第5シリーズ以降はアドバイザーとして随時、かかわる立場になっていた。
NHKは犬丸さんの死去について「驚いてます。シリーズ開始からキャラクターをはじめ、たくさんのすばらしいアイデアを出していただきました。多くの子どもたちに見ていただける番組になりましたのも、ひとえにそのおかげだと感謝しています。ご冥福をお祈りいたします」とコメントを発表。「おじゃる丸」については今後も予定通り放送し、犬丸さんのクレジットの扱いも従来通りという。