タランティーノ奴隷制度の議論活発化願う
クエンティン・タランティーノは『ジャンゴ 繋がれざる者』をきっかけに人々が議論を深めて欲しいと願っているようだ。24日に開かれた第85回アカデミー賞で同作を評価され脚本賞を受賞したタランティーノは、同作のテーマを巡る「議論」の取っ掛かりを提供できたことが嬉しいと話している。授賞式会場となったドルビー・シアターの舞台裏でタランティーノはDeadline.comに「この作品を通して奴隷制度やこの制度においてアメリカという国の果たした役割といった議論を喚起したかったんだ…」「この作品を批判した人でさえも議論を色んな方向に深めてくれる貢献をしてくれたと思ってるよ。こういった議論こそ結局のところ僕が望んでいたものなんだ。だから今後数年もそれが続くといいね」と話している。さらにタランティーノは今年のオスカーにノミネートされた他の作品に対して尊敬の意を表した上で、今年の作品群の「精神」は過去の往年のハリウッド作品のそれを反映していると分析している。「僕はハリウッド新時代の始まりでもある1960年代後半から70年代初頭にかけての映画作品を研究してきたんだ」「今年は、当時と同じ精神があるよね。今年の作品の全てのテーマが必ずしも商業的だったり人気のあるものではないよね。でも実際はそうなんだ」とも続けた。
そんな『ジャンゴ 繋がれざる者』で助演男優賞に輝いたクリストフ・ヴァルツも、同作でタランティーノによって提起された「深いメッセージ」について語っている。「タランティーノ作品の中で最高の興行収入をあげたからこの映画が好きだっていうわけじゃないんだ。本当に深いメッセージを持った素晴らしいエンターテイメント大作だからこそ、この作品が好きなのさ。この作品が人気になって嬉しいよ。ただギャラはちょっと残念だったね...他の作品で稼ぐことにするよ」
(BANG Media International)