スピルバーグ、キューブリック作手がける
スティーブン・スピルバーグが、スタンリー・キューブリックの遺族と共に再度キューブリック作品を手掛けているようだ。1970年代にキューブリックが構想した企画を基にキューブリックの死後となる2001年にようやく映画化作品『A.I.』として完成させた経験もあるスピルバーグだが、今回「スタンリー・キューブリックの脚本をミニシリーズ化しているところなんだ。映画作品ではないよ。ナポレオンの生涯を描いた作品なんだ」と語っている。
同ナポレオン伝記作品は、キューブリックが1961年に脚本を執筆したものの、予算の事情で製作が難航したため1970年代にお蔵入りとなった作品だ。
昨年10月にロサンゼルスカウンティ美術館(LACMA)で開催された「LACMA アート+フィルムガラ」ではキューブリックの回顧展が行われていて、スピルバーグも参加していた。完璧主義者で知られたキューブリックはナポレオンの生涯について徹底した調査を何年もかけて行なっており、LACMAでは1971年にキューブリックがスタジオ宛てに書いた手紙を公開している。手紙には「史上最高の映画を製作するつもりだという以外には、どんな作品を手掛けるのかについてあなた達に説明することは不可能です」と書かれており、鬼才キューブリックの片鱗が顔を覗かせている。その他昨年のLACMAでは、キューブリックがオスカー・ウェルナーに同作品の主演を依頼した手紙に加え、当時女優業を一時期休むことに決めていたオードリー・ヘップバーンが「そのうち、いつかまた私を候補にして下さる?」とオファーへの断りの言葉を記した手書きの手紙も展示されていた。
(BANG Media International)