ジョニデ主演作、大コケの道まっしぐら
ディズニーが夏の目玉として放ったジョニー・デップ主演の超大作『ローン・レンジャー』が大コケの暗雲を漂わせている。ジョニー&アーミー・ハマー主演、かつ2億5000万ドル(約250億円)という巨額の製作費を投じて製作された同作品だが、先週末の全米封切の初日3日間で4890万ドル(約48億9000万円)と興行成績が振るわず、アニメ映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』にボックスオフィスのチャートで1位の座を譲り渡し、2位に甘んじてしまうなど、初っ端から伸び悩んでいる状態だ。さらに、オーストラリアやロシアなど他の海外でも興行成績がなかなか伸びていないこともあり、業界のアナリスト達の予想によれば、ディズニーは1億9000万ドル(約190億円)の大赤字を計上することになりそうだという。
1930年代のラジオ番組に端を発し、その後1950年代に放送された同名テレビ番組の映画版となる本作について、アナリスト達は当初から1億5000万ドル(約150億円)の赤字を出すだろうと予測していたものの、それを大幅に上回る数字が現実味を帯びてきてしまっている。金融を専門とする米ラザード・キャピタル・マーケッツのバートン・クロケット氏はハリウッド・レポーター誌に「多くの投資家は当初からディズニーの『ローン・レンジャー』リブート作に懐疑的でした。その予想が当たってしまいましたね。この先週末で唯一、不発に終わった作品で、我々の試算によれば、このペースでいくと最終的に1億9000万ドルもの資金が回収不能になるはずです」と語っている。
ディズニーは過去にも、2億5000万ドル(約250億円)超の製作費を投じた『ジョン・カーター』が2億ドル(約200億円)の損失を被ることになった痛い失敗を経験している。この失敗を胸にディズニーは今回の『ローン・レンジャー』で、ジョニー主演、ゴア・ヴァービンスキー監督、ジェリー・ブラッカイマー製作という大ヒットシリーズ『パイレーツ・オブ・カリビアン』の黄金トリオを再結成させ、定石通り更なる大ヒットシリーズ化を目論んでいた。
そんな本作には2億5000万ドルの製作費だけでなく、1億7500万ドル(約175億円)のマーケティング費用もかかっていることもあり、ディズニーはなおさら頭が痛いようだ。来月2日に日本公開を控える他、イギリスなど他の大市場でまだ公開されていないものの、業界ではすでに、劇場公開のみで最終的に全世界でたったの2億7500万ドル(約275億円)の興行収入という、超大作としてはあり得ない数字が予想されているという。ちなみに、同じくジョニー主演の『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』は10億ドル(約1000億円)という大成功を収めている。
(BANG Media International)