ロビン・シック著作権侵害で訴えられる
ロビン・シックが大ヒット曲『ブラード・ラインズ~今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪』を巡って著作権侵害で訴えられている。マーヴィン・ゲイの遺族が、同ヒット曲を手掛けたロビンとファレル・ウィリアムズのコンビがマーヴィンの『ガット・トゥ・ギヴ・イット・アップ』の一部を盗用したとして訴えを起こしているとハリウッド・レポーターが伝えている。遺族らは損害賠償と、今年最もヒットした曲の1つである『ブラード・ラインズ』の収益の一部を要求しているという。今年8月にはロビンとファレルの2人が、『ブラード・ラインズ』がマーヴィンの著作権を侵害していないことを認めるように法廷に訴え出ていた経緯がある。その際、共作者のクリフォード・ハリス・ジュニア(T.I.)と共に提出された訴状で、3人は「一般的な音楽的要素以外に」『ブラード・ラインズ』と『ガット・トゥ・ギヴ・イット・アップ』の間には共通点は全くないと主張していた。
しかし、マーヴィンの子供であるフランキー・ゲイとノナ・ゲイの2人は、ロビンが父親であるマーヴィンの作品を多かれ少なかれ盗用したことをインタビューで認めていたと、真っ向から反論していた。さらにフランキーとノナは、ロビンが2011年に発表した『ラブ・アフター・ウォー』も、マーヴィンが1976年に発表した『アフター・ザ・ダンス・ウォー』の「不当なコピー」に相当すると主張している。
遺族側の主張としては、マーヴィンの音楽的遺産を守り、遺族側の権利と世界中で大ヒットとなっている『ブラード・ラインズ』との間で生じる利益相反を回避するためにも、レコードレーベルのEMIが真っ先に著作権侵害でロビン側を訴えるべきだったとしている。訴状には「利益相反が起こったことで、EMI側はグローバルな観点から『ブラード・ラインズ』の作曲者たちと同じ立場に立つことを決定し、結果的にマーヴィン・ゲイの遺産と遺族の権利と利益を侵害することになった」と記載されている。
この遺族側の主張に対して、EMIの親会社であるSony/ATVミュージックは、作曲家の作品を著作権侵害から保護することを「とても真剣に」捉えているとしている。「弊社としてはご遺族のEMIに対する訴えの内容を精査しておりませんが、これまで繰り返しご遺族の弁護士の方に、著名な音楽学の専門家に検査してもらった結果、『ブラード・ラインズ』は『ガット・トゥ・ギヴ・イット・アップ』の著作権を侵害してはいないという結論に達したということをお伝えしていました」
さらにSony/ATV側は、会社としてはマーヴィンの作品や遺族との関係を大事にしているものの、「この件に関してご遺族が軽率な行動を取られたことを残念に思っている」と反論もしている。
(BANG Media International)