マライア・キャリーが１００万ドル（約１億円）のギャラでアンゴラの独裁者のために行ったコンサートに対して多くの非難が寄せられている。マライアは１５日、独裁政治で知られるアンゴラのジョゼ・エドゥアルド・ドス・サントス大統領のために２時間に及ぶコンサートを行い、多額の出演料を受け取ったことから、人権団体から強い非難を受けている。

　ヒューマン・ライツ・ファウンデーションのハルボーセン代表は「多くの国民が１日２ドル（約２００円）以下の生活を強いられているアンゴラにおいて、独裁政治を行い、不正手段で蓄えた富を個人の目的に費やす泥棒政治を行う父娘から、国際的に著名なアーティストが多額の支払いをうけたという事実は悲しいことです」とコメントした。

　マライアのコンサートはドス・サントス大統領の娘の経営する携帯電話会社ユニテルがスポンサーとなっている。大統領の娘はアンゴラの赤十字の代表も務めており、今回のコンサートから６万５千ドル（約６８０万円）の収益を寄与されている。

　マライアは５年前にも、独裁者として恐れられ、２０１１年のアラブの春革命の際に殺害された元リビア最高指導者ムアンマル・アル＝カッザーフィーの要望でプライベート・パフォーマンスを行い、後に謝罪をしていた。ハルボーセン氏は「マライアは独裁者達からの支払いを受けても受けても足りないんです。５年前リビアの独裁者の家族の前でパフォーマンスを行ったばかりなのに、今回はプライベートでなく公衆の場で、今のアフリカにおいて最も腐敗し人権侵害を犯している独裁者を支援し信頼するようなコンサートを行いました」と続けた。同人権財団によるとマライアは、ドス・サントス大統領とその家族と写真を撮り、「私は今この場にいることがとても幸せで、コンサートをアンゴラの大統領と分かち合えるのがとても光栄です」と語ったという。

　批評家達によるとドス・サントス大統領はこれまでに多数の政治家、ジャーナリストや自身の命令に従わない者などを殺害し、原油やダイヤモンド鉱脈を独占し、政府のほとんどの権力を掌握しているという。

（ＢＡＮＧ　Ｍｅｄｉａ　Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ）