『エイリアン』のデザイナーが死去
『エイリアン』のデザイナー、 H・R・ギーガーが死去した。 スイス、 グリュイエール にあるH・R・ギーガー・ミュージアムの広報担当者は12日(月)にスイス人の超現実主義のデザイナー、ギーガーがチューリッヒの自宅で階段から転落し、搬送先の病院で74歳で死亡したと公表した。
すでにその名の通った芸術家であったギーガーは1979年公開のリドリー・スコット監督作『エイリアン』でかの有名な「ゼノモーフ」とよばれるエイリアンのデザインで一躍スポットライトを浴びることとなった。ゼノモーフのデザインは自身の絵画「ネクロノム6」を基にデザインし、この他同作での「スペースジョッキー」や「遺棄船」のデザインも含めた特殊効果が評価され、ギーガーを含めたデザインチームは1980年のアカデミー賞視覚効果賞の受賞を果たしている。
ギーガーのデザインは「エイリアン」シリーズの3作で使用され、『エイリアン3』では新しいデザインも発表したほか、2012年公開の同シリーズの前編となる『プロメテウス』では異星人の壁画のデザインも手がけている。
2013年には同シリーズでの仕事が認められてシアトルのSFの殿堂入りも果たしていた。
ギーガーは映画での仕事以外では超現実主義の彫刻と絵画で知られており、自ら「バイオメカニカル」スタイルと呼んでいた人間や機械が組合わさったり、性行為を行なっているような奇妙なデザインを普段は描いていた。
ギーガーの作品は ブロンディのヴォーカリスト、デビー・ハリーのソロアルバム『クー・クー』のアルバムカバーなど数々のアルバムカバーを飾っている。
その中の一つ、デッド・ケネディーズのアルバム『 フランケンクライスト』用に制作されたポスターに、並んだ人間の性器が性行為を行なっている作品を使用したことから、同バンドのフロントマン、エリック・リード・バウチャーは1986年に、児童に対する猥褻出版物の販売の容疑で裁判にかけられたが後に棄却されている。 (BANG Media International)