ポール全公演中止 払戻し30億円超?

 元ザ・ビートルズのメンバーで英国の超大物ロック歌手、ポール・マッカートニー(71)が、ウイルス性炎症による体調不良のため21日の東京・日本武道館公演と24日の大阪・ヤンマースタジアム長居公演を中止することを20日、発表した。既に17、18日の国立競技場公演も取りやめになっており、来日ツアー4公演は全てキャンセルに。振替公演の予定はなく、完売のチケット17万枚は払い戻しの対応が取られる。

 48年ぶりに聖地武道館に立つポールの姿は、幻に終わった。来日翌日の16日に発症したポールは19日に滞在している都内のホテルで医師の往診を受けたが、回復ぶりは思わしくなく、診断結果を基に20日早朝に関係者が協議。「全世界にとって大切な方なので、大事があってはいけない」として残り2公演の中止を決断し、午前10時に発表した。

 関係者によると、この日もホテルで静養したポールは、早期の再来日公演を望んでいるという。自身のフェイスブックなどで「国立競技場に続いて、今後の公演も中止することは、僕にとっても非常に残念です。日本のファンの皆さんからの愛、励ましのメッセージと理解に感謝しています」とコメント。「皆さんにまた近いうちに会えることを信じています。愛を込めて」と、再会を約束する言葉で締めくくった。

 キャンセルとなった4公演で、17万枚のチケットが完売。武道館公演では最高10万円のアリーナ席が用意されるなど販売されたチケット代は30億円以上とみられるが、振替公演の予定がないことから払い戻しされる。

 1度もステージに上がることなく幕を閉じた、ポールにとって6度目の来日公演。日本のファンの前で、円熟味のあるパフォーマンスを再び披露する日が待たれる。

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