米ポップス界のスーパースター、マドンナ（５７）が１３日、さいたまスーパーアリーナで世界ツアー「レベル・ハート・ツアー」の日本公演を行った。来日公演は２００６年９月以来、１０年ぶり５度目。開演予定時刻から登場まで約２時間遅れるアクシデントもあったが、代表曲「ライク・ア・ヴァージン」から最新アルバム「レベル・ハート」収録曲まで熱唱、和心を盛り込んだパフォーマンスでも客席を熱狂させた。

　クイーン・オブ・ポップの貫禄を、あらゆる意味で見せつけた。

　開演予定時刻は午後７時だったが、マドンナが登場したのは午後８時５６分という波乱の幕開け。ボクシング元世界王者マイク・タイソン氏が出演するオープニングムービーが流れた後、ステージ上空からオリに閉じ込められた状態で、待ちわびたファン２万人の前に女王が降臨した。

　２３カ国で７７公演をこなす今ツアーには、『和』をリスペクトしている親日家らしく日本をイメージした演出も盛り込んだ。海外で繰り広げてきた和風ステージを満を持して“ご当地”に届けた。

　「ありがとうございます。バンビちゃん（ミュージックビデオでも共演した日本人バックダンサー、ＡｙａＢａｍｂｉ）。オーライ、トーキョー！！」。日本語を交えて叫ぶと、赤い扇を振りかざしつつ最新アルバムから「ビッチ・アイム・マドンナ」を熱唱。スクリーンには「主演マドンナ」「スケバン」「雌犬」などの日本語が踊り、日の丸や富士山も映し出された。

　過去のツアーでは過激な演出で度々物議を醸してきた。今ツアーでも露出度の高い修道女風ダンサーのお尻をたたき、十字架のポールで回転するというセクシー過ぎる荒技は、シンガポール公演で入場に年齢制限がかかるきっかけとなった。日本ではＲ指定は設けられず、セックス・シンボルたる由縁を存分に見せつけた。