トム・ハンクスの名演技の秘訣とは…

 スティーブン・スピルバーグ監督によれば、トム・ハンクスの演技力の秘訣は演技をしていないところだという。スピルバーグが脚本を執筆した1986年の『マネー・ピット』以来、『プライベート・ライアン』『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』や最新作『ブリッジ・オブ・スパイ』など数多くの作品を共に手掛けてきた2人だが、スピルバーグはトムがあたかも普通の会話かのように脚本を読み上げることに驚かされたという。Loaded.co.ukのインタビューでスピルバーグは「最初にトムのことで気づいたのは、演技をしている姿を見たことがないってことなんだ。あたかも脚本がないかのようにセリフを口にしていて、まるで監督も存在せず、照明もないかのように僕にただ話しかけているかのようだったんだ」とその驚きを語る。

 また『マネー・ピット』以前からトムの作品の数々の大ファンだったというスピルバーグは「『ボソム・バディーズ』のトムが大好きだったんだ。それにイスラエルが舞台の『さよならは言わないで』も好きだったね。それにリタ・ウィルソンと出ている『ボランティアーズ』もね。だから『マネー・ピット』をやる前から彼の仕事ぶりはよく知っていたんだよ」と説明している。

 実際にあった話を基にした『ブリッジ・オブ・スパイ』では同作でアカデミー賞助演男優賞を受賞したマーク・ライランス演じるソ連のスパイ、ルドルフ・アベルとオースティン・ストウェル演じるアメリカ人パイロット、ゲイリー・パワーズのスパイ交換の交渉を任された弁護士ジェームズ・ドノヴァンをトムが演じている。スピルバーグは「誰かが『ソ連で撃墜されたU-2偵察機のゲイリー・パワーズの映画を作る気ないか?』って話を持ちかけてきたんだ。それだけでも1作作るのに十分な話だったと思うんだけど、トムと僕はその話にはもっと語るべき事実があったことを発見したのさ。それで僕らは信じられないような話だけど、実際に起きた話だってことに驚かされたんだ」とそのいきさつを明かした。(BANG Media International)

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