ロックンロールの創始者、ファッツ・ドミノ死去
ファッツ・ドミノが死去した。WWL-TVの報道によると25日、ロックンロールの創始者の1人とされたドミノこと本名アントワーヌ・ドミノが89歳の生涯を閉じたという。
同ニュース番組中、ドミノの娘からドミノは家族と友人に囲まれて安らかに逝ったことが明かされた。
俳優のウェンデル・ピアースは「この心の痛みと悲しみを今言葉で表すことはできません。我々は偉大な人間を失いました」「私のヒーローの1人でした。ニューオーリンズのファッツ・ドミノが亡くなったのです」と追悼の言葉を送っている。
1987年にグラミー賞の特別功労賞生涯業績賞に輝いたドミノは、エルヴィス・プレスリーやザ・ビートルズにも影響を与えたロックンロールの開拓者であった。
また、ニューオーリンズで生まれ育ったドミノは、2005年にハリケーン「カトリーナ」が同地を襲った際、自宅から避難するのを拒んだため一時は消息不明となり、後に救助隊が乗るヘリコプターで保護されていた報道でも話題になっていた。その後2012年には、ハリケーン後の同地を舞台としたHBOのテレビドラマ『トレメ』に本人役で出演も果たしていた。
このファッツ・ドミノという名前は同地においてバンドリーダーだったビリー・ダイアモンドが1947年に命名したもので、ドミノの演奏がジャズピアニストのファッツ・ウォーラー、ファッツ・ピチョンを彷彿とさせたのが由来だという。
その名を冠して、11950年にデイヴ・バーソロミューと作り上げたシングル『ザ・ファット・マン』でデビューし、続いて1955年には初のアルバム『ロック・アンド・ローリン・ウィズ・ファッツ・ドミノ』をリリースした。
昨年8月にはリズム&ブルースの殿堂入りを果たし、8人の子供にも恵まれたドミノだが2008年に妻のローズマリーに先立たれている。(BANG Media International)