クリストファー・ノーラン、スティーブン・スピルバーグにアドバイスを求めていた
クリストファー・ノーラン監督は「ダンケルク」の撮影前、スティーブン・スピルバーグにアドバイスを求めたそうだ。自らもハリウッドの大物監督であるノーランだが、第二次世界大戦を舞台にした同作を手がける際、同様の世界をテーマにした「プライベート・ライアン」で成功を収めているスピルバーグに手引きを仰いだという。
スピルバーグは当時の状況をこう振り返る。「クリスが世界最高峰の創造力を備えた映画制作者であることを理解、尊重した上で僕は彼に、自分が「ライアン」でしたようにこの歴史ドラマを正確に伝えるためのリサーチを優先し、彼の想像の世界はその後についてくるようにとアドバイスしたよ」
トム・ハーディ、ケネス・ブラナー、ハリー・スタイルズらが出演した同作へのリサーチのため、ノーランは「プライベート・ライアン」を鑑賞したそうで、「あの映画の力強さは一切失われていなかった。目も当てられないようなオープニングシーンから、見るのも辛くなるようなひどいシーンが続いていく。あれは見事としか言いようがなくて、それには対抗したくなかった。だから違った形で緊張感を求める必要があったんだ」「サスペンスの要素が必要だった。サスペンスの映像言語というのは、スクリーンから目を離せなくなるもののことだ。一方ホラーの映像言語は目を伏せるもの。目をそらすもの。それぞれ違った緊張感なんだ。残虐性や血というかたちではなく、肉体的な危機という点で設定を作り上げたのさ」と説明した。
「ダークナイト」「ダークナイト ライジング」「インセプション」などの代表作を誇るノーラン監督は、バラエティ誌とのインタビューの中で「ダンケルク」は戦争映画ではなく、サバイバル映画として見ていると語っている。
(BANG Media International)