ヒトラーを演じた タイカ・ワイティティ「コメディはシリアスより力強い手段」
タイカ・ワイティティ監督(44)は自身が手掛けた風刺コメディ『ジョジョ・ラビット』がアカデミー賞にノミネートされたことで、自分の熱意が立証されたと考えているようだ。今月17日に日本公開されたばかりの同作でワイティティは監督に加えて、主人公ジョジョの空想上の友達アドルフ・ヒトラーを演じているが、同作は作品賞、スカーレット・ヨハンソンの助演女優賞などを含め6部門にノミネートされた。
同作は、ナチスの青少年組織に属し、ヒトラーを空想上の友達に持つ10歳の少年ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイヴィス)が、母親(スカーレット・ヨハンソン)が家にユダヤ人の少女をかくまっていることを発見するというストーリーを描く。
作品の主題上、物議をかもしている同作について、『マイティ・ソー バトルロイヤル』の監督としても知られるワイティティはデッドラインにこう話す。
「とても簡単な作品を作りたいと思ったことはないね。僕にとっては、もし簡単すぎる作品なら、何で作るのって思うから」
「時々、人は『意見が分かれる作品だ』って言うけど、僕の国では、それは悪い言葉ではない。議論を呼び起こすための手段なんだよ」
また、同作でのスカーレットの演技はノミネートに値すると続けている。「スカーレットは素晴らしかった。作品そのものを、自分では考えもしなかったレベルにまで引き上げるようなものをもたらしてくれたんだ。これまで僕が見た中でも、スカーレット最高の演技だと思うよ」
さらに、ニュージーランド出身のワイティティはヒトラーをコメディタッチで描いたことについて、「コメディはシリアスなドラマよりもよっぽど力強い手段だよ。ドラマだと、人は罪悪感のセンサーを切るか、罪悪感で落ち込むかするものだからね。たいていは、そういった感情はコメディほど心に残らない」と説明している。(BANG Media International/デイリースポーツ)