ワインスタインのセクハラ被害者訴訟 20億円超の和解案が法廷で棄却
ハーヴェイ・ワインスタインの被害者女性らに対する約1900万ドル(約20億4000万円)の和解案が法廷で棄却された。
今月初めニューヨーク検察当局は、製作会社ザ・ワインスタイン・カンパニーの元社員による集団訴訟に関し同社との合意に至ったことを発表。「厳しい職場環境、セクハラ、性別に基づいた差別を経験した」元社員に対しこの和解金が支払われ、その合意により、それ以前に被害者が同社やその代理人と交わした全ての守秘義務契約が無効になるとしていたが、14日、地方裁判所のアルヴィン・ヘラースタイン判事がその和解金の提案を却下したかたちだ。
ニューヨーク州司法長官のレティシア・ジェームズのスポークスパーソンは、こう声明を発表している。
「判決を検討した上で次の動きを決定します。当局は、これらの勇敢な女性達が受けるべき正義のため、疲れ知らずで戦ってきました。今後もそれを続けて行きます」
今回の判決の前日には、元社員の弁護団が同提案の却下を求めた36ページに渡る書類を提出していた。
ダグラス・ウィグダー弁護士は、「私達は、1年半にわたり、この和解条件は公正さに欠けており、性暴行の被害者に対しては決して課されるべきではないと指摘してきました。ニューヨーク検察当局と弁護側がこの事実を認識しなかったことには驚きましたが、ヘラースタイン判事がこの一方的な提案を素早く却下したことを嬉しく思います」とCNNに話し、ワインスタインやその行動を可能にした者に対して引き続き公正な裁きを求めていく意向を明らかにした。
同訴訟は、2018年2月、セクハラ、脅迫などに対する職場の安全を守るための州規約を違反したとしてワインスタイン受刑者、弟のボブ・ワインスタイン、そして同製作会社に対し起こされていた。
また、今年3月に禁錮23年の量刑を言い渡され現在服役中のワインスタインは、これまでに100人以上の女性からハラスメントや性的不正行為で訴えられている。 (BANG Media International/デイリースポーツ)