大御所ミュージシャンが90歳で死去 認知症で闘病の末、眠る間に息を引き取る
クリス・バーバーが死去した。90歳だった。1950年代から60年代にかけ、アッカー・ビルクとケニー・ボールと並んで「スリーB」としてイギリスのジャズ界を牽引したクリスが、認知症の闘病生活の末、眠っている間に安らかに息を引き取ったことが、所属レコード会社より発表された。
クリスは40年代にロンドンで初めてバンドを結成、その後クラリネット奏者のモンティー・サンシャインと53年に結成したバンドで人気を得た。
54年から08年にかけて数々のバンドでトランペット奏者のパット・ハルコックスとタッグを組み、59年から83年にかけては結婚生活を送った歌手のオティリー・パターソンと共に、小さなジャズクラブから大規模なコンサートホールまで観客を集める成功を収めた。
また、頻繁にステージを共にしたバンジョー奏者のロニー・ドネガンとは、スキッフルを含むセットで観客を魅了した。2人が55年に発表した「ロック・アイランド・ライン」は、イギリスで初のゴールドディスクとなるヒットとなっている。
また、60年代にはブルースの再来で中心的役割を果たしたクリスは、シスター・ロゼッタ・サープ、ソニー・テリー、ブラウニー・マクギー、マディ・ウォーターズらアメリカ出身アーティストをイギリスに紹介した存在としても知られた。
91年にはその音楽界への貢献が認められ大英帝国勲章を授与されたクリスは、19年に約70年間続けたバンド活動からの引退を表明していた。(BANG Media International/デイリースポーツ)