男性への性的虐待容疑で訴えられた名優の裁判 原告の本名公開を命じる
俳優ケヴィン・スペイシーが過去の性的虐待容疑で訴えられている件で、裁判官は当時14歳だったという原告に素性を明かすことを命じた。4000万ドル(約44億円)の損害賠償を求めた同訴訟では、これまでC.D.とだけ知られていた原告が本名を明かさないかぎり継続しないという判決が下された。
地方裁判所のルイス・カプラン裁判官は3日、この男性のプライバシーが、その匿名性によりもたらされるケヴィンの弁護や公開訴訟での推定に対する不利益よりも重視されるべきではないと判断、名前を明らかにしなければ、スペイシー側に有益となる可能性のある情報を持つ人々が申し出てくることができないと指摘した。
また同裁判官は、原告が1990年代から同件に関して何人かに話してきており、2017年にヴァルチャーに掲載されたニューヨーク・マガジン誌の記事の取材にも応えていることから、自身の正体が明らかになる可能性があったことも分かっていたとして、訴訟を継続したければ10日以内に名前を明らかにすることを求めた。
今年3月、原告の弁護士は、原告が「裁判が公になると考えるだけで極度の不安と心理的苦痛を感じている」と主張していたが、今回同裁判官は、匿名性を失うことで原告がうつ、不安、心的外傷後ストレス障害を引き起こすという主張に対し、それらは裁判が進むにつれ避け難いことであるとの見方を示した。
一方同容疑を否定しているケヴィン側は以前、C.D.が匿名を維持することに意義を唱えていた。�