『ネヴァーマインド』の全裸の赤ちゃん 30歳になり性的搾取でニルヴァーナを控訴
ロックバンド・ニルヴァーナのアルバム『ネヴァーマインド』のジャケット写真に赤ちゃんだった頃の写真を使用された男性が、性的搾取の疑いで訴訟を起こした。1ドル札が付けられた釣り竿が入ったプールに当時生後4か月だったスペンサー・エルデンさんが裸で浮かぶジャケットが印象的な1991年発表の同アルバムはロック史に残る傑作となっている。
現在30歳になるエルデンさんは、自分の両親はこの写真をジャケットに使用することに同意していなかったと主張、写真そのものも児童ポルノの類だとしており、カリフォルニア州に提出された裁判文書にはこう記されている。「スペンサーの秘部を露出、その性器を卑猥に捉えたイメージは彼が幼児だった頃から現在まで晒され続けています」
ちなみにアメリカの法律では、性的に撮られていない幼児の写真が児童ポルノと見なされることは通常ないものの、エルデンさんの弁護士ロバート・Y・ルイス氏は、イメージに追加された1ドル札が赤ちゃんをまるでセックスワーカーのように見せていると訴えている。
一方、エルデンさんはこのイメージにより極度で永続の精神的苦痛を与えられ、通常の大人への成長とその学習過程が阻害された上、医療及び心理治療を受ける羽目になったとしている。
『スメルズ・ライク・ティーン・スピリット』『カム・アズ・ユー・アー』など数々の名曲が収録された同作だが、エルデンさんは写真を撮影したカメラマンのカーク・ウェドル、故カート・コバーンの元妻コートニー・ラヴ、カートの遺産管理団体、そしてメンバーだったデイヴ・グロールとクリス・ノヴォセリックら15人の被告それぞれに15万ドル(約1700万円)の賠償金を求めている。
今回の訴えに関して、同バンドの広報やレーベルはコメントを公表していない状況だ。
ちなみにエルデンさんは、同作の10、20、25周年に自身で水着を着つつ同イメージを再現した過去がある。更にそのイメージを肯定的に捉えるコメントをしたり、また別の時には人権がないと感じたと明かすなど曖昧な態度を見せていた。