英コンピューター開発者シンクレア氏が死去 家庭用「ZXスペクトラム」などを開発
英コンピューター開発者のクライブ・シンクレア氏が死去した。81歳だった。80年代に発売された家庭用コンピューター「ZXスペクトラム」で知られる発明家で実業家だったシンクレア氏が、16日、長い闘病生活の末、ロンドンの自宅で息を引き取ったとことを娘のベリンダさんが発表した。
ホームコンピューターの開発で最も知られ、ほかには薄型電卓なども発明した父シンクレア氏について、ベリンダさんはザ・ガーディアン紙にこう語っている。「彼は素晴らしい人でした。もちろんとても賢く、常に全てのことに興味を持っていました。私の娘とその夫はエンジニアなので、父は彼らとエンジニアリングについて話していましたよ」
17歳で学校教育を離れたシンクレア氏は、4年間技術ジャーナリストとして働き資金を貯めた後「シンクレア・ラジオニックス」を立ち上げた。最初に売り出したホームコンピューター「ZX80」はキット価格で69ポンド95ペンス(当時のレートで約3万7000円)、組み立てたものが99ポンド95ペンス(同約5万3000円)で販売され、当時市場に出回っていたモデルと比べるとかなり低価だったこともあり5万台の販売数を記録した。
1982年に発売された「ZXスペクトラム48K」は、イギリスのゲーム業界の発展に極めて重要な役割を果たし、『ナイト・ロアー』など同コンピューター向けのゲームが数々発売された。
シンクレア氏は1983年、エリザベス女王からナイト爵位を授けられている。