児童ポルノか否か?ニルヴァーナ「ネヴァーマインド」赤ちゃん訴訟に新展開

 ニルヴァーナのアルバム「ネヴァーマインド」の、裸の赤ちゃんが写ったジャケットに関する訴訟が新たな展開を見せている。性的搾取だったとして訴えを起こしていた被写体を務めた男性スペンサー・エルデンさんが、当時生後4カ月だった自分は撮影後プレイボーイ誌発刊者の故ヒュー・ヘフナーに似せたスタイリングをさせられていたと情報を追加したかたちだ。

 1ドル札が付けられた釣り竿が入ったプールに、裸の赤ちゃんが浮かぶ姿が印象的な同ジャケットだが、現在エルデンさんは30歳、当時両親は写真の使用を了承しておらず、児童ポルノだとして裁判を起こしていた。

 11月22日、エルデンさんの弁護士ロバート・ルイス氏は「被告側はスぺンサーを守るためのきちんとした措置を怠った」と主張、その被告には写真を撮影したカメラマンのカーク・ウェドル、故カート・コバーンの元妻コートニー・ラヴ、カートの遺産管理団体、そしてメンバーだったデイヴ・グロールとクリス・ノヴォセリックら15人が挙げられている。

 当初の裁判書類では、同バンドが、エルデンさんを水中に投げ込み性器を露出、強調させそのジャケットで見る者の性的興奮を煽ったと主張していたが、今回の修正版には「(カメラマンの)ウェドルは写真撮影後、スペンサーをヒュー・ヘフナーのような恰好にさせていた」と追加。「日記には『ネヴァ-マインド』のジャケットに関するコバーンの歪んだビジョン、そして精神的不安が表現されています。『赤ん坊のお腹を切り裂いて、その子が死ぬまでその切断部をめちゃくちゃにしたい』というものです」と綴られている。

 エルデンさんはこのイメージにより極度で永続の精神的苦痛を与えられ、通常の大人への成長とその学習過程が阻害された上、医療及び心理治療を受ける羽目になったとしている。

 「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」、「カム・アズ・ユー・アー」など数々の名曲が収録された同作だが、エルデンさんは15人の被告それぞれに15万ドル(約1700万円)の賠償金を求めている。

 ちなみにエルデンさんは、同作の10、20、25周年に自身で水着を着つつ同イメージを再現した過去がある。更にそのイメージを肯定的に捉えるコメントをしたり、また別の時には人権がないと感じたと明かすなど曖昧な態度を見せていた。

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