ソウル歌手シル・ジョンスンが死去 死因は不明 遺族「生涯をまっとうした」
歌手のシル・ジョンスンが死去した。85歳だった。ミシシッピ出身でソウルやブルースミュージシャンとして活躍したジョンスンは、カニエ・ウェストやジェイ・Zをはじめとするヒップホップミュージックで最もサンプリングされたミュージシャンとしても知られている。
遺族はこう発表している。「ソウル&ブルースの殿堂入りした伝説シル・ジョンスン(シルベスター・トンプソン、ミシシッピ州ホリー・スプリングス生まれ)が、この世を去ったことを私達家族がお伝えしなければならないことはとても悲しいことです。父、兄弟、祖父、曾祖父、おじ、友人、そしてアーティストとして、彼はブラックミュージックを愛するシンガー、ミュージシャン、そして実業家としてその生涯をまっとうしました」「常に正義を求めて立ち向かっていた熱烈なファイターな彼の姿は、その音楽やサウンドにも通じており、彼を知る機会があった全ての人たちから惜しまれることでしょう。彼の音楽と伝説は、その完璧さとそれを聞いたすべての人たちの歴史の設計図として人々の心に刻まれることでしょう」
現在のところ、死因については明らかになっていない。
300曲以上にサンプリングされたといわれるジョンスンの1967年作『ディファレント・ストロークス』は、パブリック・エナミーの『ファイト・ザ・パワー』『フィアー・オブ・ア・ブラック・プラネット』、カニエとジェイの『ザ・ジョイ』などでもおなじみとなっている。
しかし、使用された曲の印税を常に受け取っていたわけはなかったことから、カニエとジェイ、サイプレス・ヒルらに対しては、著作権侵害で訴えを起こしたこともあったが、のちに和解に至っている。
1968年に『ドレシズ・トゥー・ショート』でデビューしたジョンスンは、60年代から70年代にかけて活躍、80年代に入って一度は引退したものの、90年代の半ばには娘シリーナとのデュエットというかたちで復帰を果たしていた。