アカデミー賞俳優 戦争開始を理由に大御所から受賞式典ボイコットを打診されるも断る
米俳優のエイドリアン・ブロディ(48)が、ジャック・ニコルソンからアカデミー賞のボイコットを打算されていたという。映画『戦場のピアニスト』で史上最年少の主演男優賞を29歳で受賞したエイドリアン。2003年当時、アメリカがイラクを侵攻し戦争が開始したその4日後に授賞式が行われる予定だっため、ドラマ『アバウト・シュミット』でノミネートされていたジャックが全ノミネート者を自宅に招待し、同戦争に関してどう対処すべきかが話し合われたと言う。ジャックはそこでスコッチと葉巻を配りながら、エイドリアン他、ニコラス・ケイジ、マイケル・ケイン、ダニエル・デイ=ルイスに授賞式をボイコットするよう促したそうだ。
しかし、同授賞式を「欠席」するにはあまりに大きな機会だと感じたというエイドリアンは当時について、サンデー・タイムズ紙のスタイル誌にこう振り返っている。「『あなた達はどうするかわからないけど、僕は行くよ』 と言ったんだ。僕は、『両親も来ることだし出席しなきゃならない。滅多にないことだ。あなた方はもう受賞経験者だから見過ごせるかもしれないけど、僕には無理だ』」
同授賞式には最終的に5人全員が出席したが、エイドリアンはスピーチの中で「今夜はとても悲しい気持ちでいっぱいです。このような奇妙な時期に賞を受けることになりました。この作品を作るにあたって私は、戦争時の人々の悲しみや人間性の欠如、そして戦争がもたらす影響を強く意識するようになりました」とその戦争について言及した。
そんなエイドリアンは、過酷な役作りの思い出が蘇るため、ポーランド系ユダヤ人音楽家ウワディスワフ・シュピルマンを演じた同映画を未だに見ることが出来ないそうで、「病気になってしまった。度重なる飢餓のダイエットをし、元に戻さなきゃならなかった。それで代謝が悪くなって。実験したつもりが失敗した。もう自分の体は元に戻らないんだと思った」と明かした。