チャールズ皇太子、エリザベス女王に代わって英議会を開会、女王の欠席は3度目
チャールズ皇太子(73)が母親のエリザベス女王(96)の代理として、イギリス議会を開会した。9日、エリザベス女王は運動能力の問題を理由に、翌日の開会式欠席を発表、代わってチャールズ皇太子がカミラ夫人と今回「カウンセラー・オブ・ステート」を務めた息子ウィリアム王子付き添いのもと、女王のスピーチを読み上げていた。女王の開会式欠席は在位期間中3回目となる。
今回チャールズ皇太子は、イギリス政府の優先事項として経済の成長と強化、税制改革や減税対策を含めた生活費の見直しを貴族院に呼びかけ、インフレ率の目標2%を目指すイングランド銀行への支持を宣言、「私の政府が、国内の全地域において機会を増やし、より多くの人々が仕事に就けるよう支援します。私の大臣らは警察が街をより安全にすることを支援し、新型コロナの影響による治療待ち患者数減少へ向けて国民保健サービスへの経済援助をする予定です」と語った。
また戦時下にあるウクライナの人々への支援についても言及、「この大変な時期に、私の政府は民主主義と世界中の自由を守る指導的役割を果たします」と続けた。
他にも、新たな権利章典、公共住宅に関するより良い規制、警察の新たな権限、遺伝子技術を推し進めた農業革新、事業規制の改革、計画システムの見直しと国内の交通改革についての計画をチャールズ皇太子は発表していた。
そして、エリザベス女王のスピーチをこう締めていた。「私のプラチナ・ジュビリーとなる今年、女王陛下はイギリス、そして連邦全体で行われる祝福、今年の夏にバーミンガムで開かれるコモンウェルスゲームズを楽しみにしています。女王陛下はあなた方の助言が全能の神の祝福に基づくものでありますようお祈りしています」
過去にエリザベス女王が議会開会式を欠席したのは、息子のアンドリュー王子とエドワード王子をそれぞれ妊娠していた時のみで、3回目となった今回、大英帝国王冠は専用車で運搬され、クラウン・ジュエラーが検査、その後宮内長官に渡され議会の中を移動、チャールズ皇太子が儀式のテーブルに配置していた。
一方、アーミンで装飾された深紅のベルベットのキャップ・オブ・メンテナンスとジェームズ2世の戴冠式で使用された宝剣が儀仗として、議会開会中の女王の権限を示す目的で議会に渡された。