ABBAのホログラムツアー コスト問題が浮上、225億円の売り上げが必要
ポップグループ・ABBAのホログラムツアーに、莫大な費用がかかっているという。メンバー4人のアバターを使用した同グループ40年振りとなるツアーは26日に、ロンドンでスタートしたばかりだ。
今回メンバーのベニー・アンダーソンの息子で、同ツアーの音楽プロデューサーを務めるルドヴィグ・アンダーソンが、バーチャルコンサートは「非常に高価」であることから、他のバンドは手を出さないとザ・テレグラフ紙に吐露。「とても長い期間、多くの人々に見に来てもらう必要があります」と続けている。またザ・タイムズ紙によると、同ツアーの費用をカバーするためには1億4000万ポンド(225億円)の売り上げが必要だという。
メンバーがモーションキャプチャーのスーツを着用し、事前に収録したパフォーマンスを最新技術を使い95分間に渡り再現する同ツアーは、すでに世界中の著名な音楽評論家から絶賛されている。コンサートの声と動きはメンバーそれぞれのものである一方、実際にステージに立つのはジョージ・ルーカスの制作会社インダストリアル・ライト&マジックによるテクノロジーを駆使した彼らのアバターとなっている。ちなみに同ツアーはコストを賄うために、これから3年に渡ってロンドンで開催、もしくは別の場所に移る可能性もあるそうだ。
ベニーは同コンサートの予定についてバラエティ誌にこう話している。
「これからさ。まずは地に足をつけないとね。どれだけ人気が出るかを見る。今チケットは38万枚売り上げたから、数カ月は大丈夫だ。これ以上チケットが売れるかどうかを確認しなきゃいけない。でもアメリカからプロモーターが来て、向こうのマーケットにはまるかどうかを調べる予定だ」
「ここロンドンで始めたことは正に最適だったと思っている。イギリス人はなぜか、いつも自分たちのものであるかのように私達を迎えてくれるんだ。それには本当に感謝している」
一方メンバーのビヨルン・ウルヴァースは今回のコンサートに企業スポンサーをつけない英断を下したことについて、こう続けていた。「私たちが最後にしたコマーシャルは1975年だ。日本のテレビ製造ブランドのナショナルのものだった。『悲しきフェルナンド』に馬鹿げたアレンジをした。私たちはそれをしながら馬鹿げたものと感じていた。2度とそんなことはやらない」