アート界を揺るがす大スキャンダルに巻き込まれた女性画家が死去
画家のマーガレット・キーンが死去した。94歳だった。悲しげで大きな目の子供達を描いたシリーズで知られ、ティム・バートン監督の『ビッグ・アイズ』のモデルにもなったキーンが心不全で帰らぬ人となったことを、娘ジェーン・スウィガートさんがニューヨーク・タイムズ紙を通して明らかにした。
キーンの公式フェイスブック・ページには、「『ビッグ・アイズ』の母、私達の女王、現代の巨匠そして伝説であるマーガレット・キーンが、(26日)日曜日カリフォルニア州ナパの自宅で安らかに息を引き取りました。94歳でした」と綴られている。
ティム・バートンによる2014年の伝記映画『ビッグ・アイズ』では、夫ウォルター・キーン(クリストフ・ウォルツ)が妻の作品をあたかも自分の作品として世に出したことから、ゴースト画家の立場に置かれてしまったマーガレット(エイミー・アダムス)が夫と戦い、自己を取り戻す姿が描かれていた。キーンは夫と離婚後後、1986年にハワイで夫に対し名誉棄損訴訟を起こした。その中で夫と絵画コンテストを行い、自らが明らかに「ビッグ・アイズ」シリーズを描いた画家であることを証明。400万ドル(約5億5000万円)の損害賠償を勝ち取っていた。しかし元夫にその支払い能力がなかったため、実際にはその賠償金を手にすることはなかったと言われている。