カニエ・ウェスト、「ドンダ2」の楽曲のサンプリングが訴訟沙汰に

 ラッパーのカニエ・ウェストが、アルバム『ドンダ2』に収録の『フラワーズ』のサンプリングで訴えられた。

 イェことカニエに法的措置を求めているのはシカゴハウスの伝説、マーシャル・ジェファーソンの出版社ウルトラ・インターナショナル・ミュージック・パブリッシング(UIMP)で、同曲がジェファーソンの1986年のトラック『ムーブ・ユア・ボディ』を無許可、著作権料の支払い無しに使用したと主張している。

 原告によると22回に渡って繰り返しそのサンプリングが使用、カニエはジェファーソンとUIMPに対し意識して使っている事を告げていたそうで裁判書類にはこう記されている。

 「この承認にも関わらずウェストは『フラワーズ』の配信を止めませんでした。被告らの行為は意志的な故意のものです」

 「被告は、自分たちがその無版権の作品のライセンスを所持していないと知っており、その報告を受けていたにも関わらず、UIMPの著作権をあからさまに無視し、故意に侵害し続けているのです」

UIMPはカニエに対しストリーミング・サービスからの同曲の削除、損害賠償金として最低15万ドル(約2000万円)と裁判費用の支払いを求めている。

 一方のジェファーソンはビルボード誌に対し、黒人アーティストやシカゴ出身の後輩ミュージシャンらが自分の音楽を何の支払いもなしに頻繁にサンプリングしていることを憤慨していた。

 ちなみにカニエは昨年のアルバム『ドンダ』に収録された『カム・トゥ・ライフ』で、テキサスの司教デヴィッド・ポール・モーテン氏から自身の説教をサンプリングされたとして訴えられていた。

 他にもカニエは『スルー・ザ・ワイヤー』でチャカ・カーンの名曲『スルー・ザ・ファイア』をサンプリング、チャカは使用を許可していたものの、原型を留めないほどスピードが上がった自身の曲を聴き侮辱された気分だったことを2019年に明かしている。

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