“キッチンの悪魔”の息子、薬物乱用で収監 過去にもヘロイン、盗み、人種差別、同性愛嫌悪で有罪

 英国人として初の三つ星を獲得し、キッチンの悪魔の異名を持つ有名シェフのマルコ・ピエール・ホワイトの息子で、リアリティ番組に出演していたマルコ・ジュニア(27)が、薬物乱用による1年半の禁固刑で収監された。16歳で初めてリハビリ施設に入ったというマルコは、ここ1年3カ月間での、万引き、ナイフやヘロインの所持、人種差別を助長するような無秩序な行動などを認めており、今週22日に18カ月以上の懲役で投獄されたとブリストル・ポスト紙が報じている。マルコは、すでに11カ月の禁固刑が言い渡されており、加えて32週間の執行猶予だった刑期と共に連続して執行されることになっている。

 裁判所は、リアリティ番組『ビッグブラザー』に出演していた18歳の頃からヘロイン中毒になったマルコが、高級乗馬用品店から2496ポンド(約40万円)相当の服を盗み、スーパーマーケットの警備員に対し人種差別的発言を行い、また別のスーパーマーケットでお酒を万引き、さらにブランド品のクレジットカード・ホルダーやサングラス、日用雑貨食料品店では食洗機の洗剤、酒類を盗んだと説明した。

 弁護側は、父親が有名で裕福である故にマルコは、いじめ、脅迫、恐喝、暴力に苦しんだことなどを訴えた。だが判決を下した裁判官は「知的な人、良い経歴の人、あらゆる見込みのある人が、常日頃からごまかし、嘘をつき、盗み、それを止めることが完全にできなくなるのが依存症である」と語った。

 かつて父親のお金を散財したことがあると豪語したマルコは、同番組を降板した4日後の2016年4月に薬物運転容疑で出廷。2019年1月に駅で酔って迷惑行為を起こし警察に逮捕された際には、人種差別と同性愛嫌悪の中傷を行い、有罪判決を受け罰金を科されていた。一方、2019年11月に長女をもうけ父親となり、一時は問題を起こすことなく過ごしていたものの、翌年には40ポンド(約6500円)の携帯電話を盗んだ疑いで再び逮捕された。

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